新居に運び込んだテレビの電源を入れたら、見慣れた局が映らない、リモコンのボタン番号と局がずれている、データ放送の天気予報が前の街のまま。引っ越し直後のテレビで起きるこうした困りごとの多くは、故障ではなく「テレビの中の設定が旧住所のまま」になっていることが原因です。
B-CASカードを管理するB-CAS社のFAQでも「引っ越しによって、受信機の地域設定・チャンネルスキャンが再度必要になります。」と案内されています。つまり新居でやることの中心は、地域(県域・郵便番号)を入れ直してから、チャンネルを探し直す作業です。順番を守れば、メーカーを問わず自分で終えられるケースが多い作業です。
この記事では、引っ越し前の配線写真とラベル貼り、画面を傷めない運び方、新居での地域設定とチャンネルスキャン、メーカー別のメニューの入り口、映らないときに試す順番、B-CAS/ACASカードの扱い、ネット・録画・処分時の初期化まで、実際の作業の順番どおりに解説します。メーカーが違っても共通する原理を先に説明し、各社の手順は公式サポートの記載を根拠に補足します。
・引っ越し前に済ませておくと新居で迷わない配線の記録方法
・地域設定→チャンネルスキャンの順番と、初期スキャン/再スキャンの選び方
・ソニー・REGZA・シャープ・パナソニックの設定メニューの入り口
・スキャンしても映らないときに安全な順に試す5つの手順
外す前のひと手間で決まる|配線写真と番号ラベルが新居での迷いを減らす理由

配線は抜く前に「背面の写真」を撮っておく
新居での設定作業で意外と時間を取られやすいのは、チャンネル設定よりも前の「どのケーブルをどこに挿していたか」の復元です。抜く前に背面を撮影しておくだけで、この迷いの多くは避けられます。
テレビの背面には、地上デジタル用とBS/CS用のアンテナ入力、複数のHDMI端子、LAN端子、USB端子などが並んでいます。レコーダーやゲーム機、サウンドバーをつないでいると本数はさらに増え、記憶だけで元どおりに再現するのは難しくなります。シャープの引っ越しの案内でも「デジタルカメラや携帯電話・スマートフォンのカメラで機器の後ろ側の写真も撮っておくと」配線を元に戻しやすいと紹介されています。
撮る順番は、①テレビ台を正面から引いた全体写真、②テレビ背面の端子部分のアップ、③レコーダーなど周辺機器の背面、④壁のアンテナ端子とLANの差し込み口、の4枚が目安です。端子の横に印字されている「HDMI 1」「地上デジタル入力」などの文字が読める距離で撮っておくと、新居で拡大して確認できます。
判断のコツとして、HDMIの差し先が1つずれるだけで、入力切替で選ぶ番号が変わり「レコーダーが映らない」と故障を疑う原因になりがちです。写真があれば、故障を疑う前に配線の違いを自分で見つけられます。
ケーブルと端子に「同じ番号のラベル」を貼る
写真と並んで効果が大きいのが、ケーブルの先端とつないでいた端子の横に、同じ番号のラベルを貼っておく方法です。新居ではラベルの番号同士を合わせるだけで配線が戻ります。
形が同じケーブルが複数あると、写真だけでは「このHDMIケーブルはどの機器から伸びていたか」が分かりにくくなります。特にアンテナケーブルは地デジ用とBS/CS用で見た目がほぼ同じで、差し先を取り違えやすい部分です。ケーブル側と端子側に対応する番号のラベルを貼り、設置時に照合するのが確実です。
貼り方は、①ケーブルの両端に同じ番号を貼る、②テレビ側の端子の横にも同じ番号を貼る、③アンテナ線には番号に加えて「地デジ」「BS」と用途も書く、の順が扱いやすいでしょう。マスキングテープに油性ペンで書けば、はがした跡も残りにくくなります。
失敗パターン①:アンテナ線の差し先を逆にしてスキャンしてしまう。ラベルを貼らずに運び、新居で地デジ用のケーブルをBS/CS入力に挿したままチャンネルスキャンを実行すると、地デジの局が見つからず「新居は電波が弱い」と誤解してしまう可能性があります。対策は、スキャンの前に写真とラベルで「地上デジタル入力」に地デジの線がつながっているかを確認することです。スキャンで局がゼロ件のときは、アンテナより先に差し先を疑いましょう。
ケーブルはコネクター部分を持ってゆっくり外す
取り外しの作業そのものも、雑に行うと新居で映らない原因を自分で作ってしまいます。電源を切ってからケーブルを1本ずつ、根元を持って外すのが基本です。
ケーブルの線の部分を引っ張って抜くと、内部の芯線やコネクターが傷み、新居で接触不良を起こすことがあります。シャープの案内では「コネクターの部分を持ってゆっくり外しましょう」とされています。アンテナケーブルの先端にある細い芯が曲がると映らなくなることがあるため、特に丁寧に扱いたい部分です。
手順は、①テレビとつないだ機器の電源を切る、②電源プラグをコンセントから抜く、③写真とラベルを確認する、④ケーブルをコネクター部分を持って1本ずつ外す、⑤外したケーブルは結束バンドなどでまとめる、の順です。外したケーブルと付属品は同じ箱や袋にまとめておくと、新居で探し回らずに済みます。
配線を外す・つなぐ作業は、必ず電源プラグを抜いてから行いましょう。壁のアンテナ端子の内部配線や、屋根上・ベランダ外側のアンテナには触れないでください。壁の端子の交換やアンテナの向き調整が必要な場合は、電気工事店やアンテナ業者などに相談するのが安全です。
テレビは縦で運ぶ|横置き・元箱なし・1人運びを避けたい3つの理由
横に寝かせると画面に負荷がかかる
薄型テレビを運ぶときの基本は「縦のまま」です。平らに寝かせると運びやすく見えますが、画面側に負担がかかります。
薄型テレビのパネルは面積に対して薄く、寝かせた状態では自重や上に載った荷物の重さが画面全体にかかります。パナソニックの引っ越しの案内には「テレビを横にすると、画面に負荷がかかります。テレビは縦にして運びましょう」と書かれています。運搬中の揺れや段差での衝撃が加わると、液晶割れなどの原因になることも考えられます。
自分で運ぶ場合の順番は、①スタンドを外す必要があるか取扱説明書で確認する、②画面に物が当たらないよう緩衝材や毛布で覆う、③縦のまま車に積み、倒れないように固定する、④上に他の荷物を載せない、の順です。引っ越しの依頼先に任せる場合も、「テレビは縦で運んでほしい」と一言伝えておくと安心です。
万一、新居で画面にひびや線が見つかった場合は、設定では直らない物理的な損傷の可能性があります。修理か買い替えかの判断材料は別の記事で整理しています。

元箱と緩衝材が残っていれば最優先で使う
購入時の箱が残っているなら、テレビの梱包にはその箱を使うのが一番確実です。箱と緩衝材は、そのテレビを運ぶために設計されたものだからです。
パナソニックの案内では、テレビの箱は緩衝材も含めて輸送に適したものなので保管しておくよう勧めています。シャープの案内でも、購入時の箱に本体を入れ、ケーブルは結束バンドなどでまとめて付属品と同じ箱に入れる方法が紹介されています。汎用の段ボールでは、画面と箱の間にすき間ができて中で動いてしまうことがあります。
梱包の順番は、①スタンドやケーブルを外す、②本体を緩衝材ごと元箱に入れる、③リモコン・ケーブル・取扱説明書・B-CASカード(カード式の場合)を袋にまとめて同じ箱に入れる、④箱に「天地無用」「テレビ」と書く、の順です。リモコンの電池は抜いておくと、運搬中の誤作動や液漏れの心配が減ります。
元箱がない場合は、画面を傷めないことを最優先にし、引っ越しの依頼先に画面サイズを伝えて梱包方法を事前に相談しておきましょう。
大型は複数人で運び、設置後は転倒防止をつける
画面サイズが大きいテレビは、1人で持ち上げないことが前提です。持ち方を誤ると、本体を落とすだけでなく、けがにつながります。
シャープの案内には「画面サイズの大きな液晶テレビの場合は、必ず複数人で移動するようにしましょう。」とあり、ソニーの引っ越しの案内でも「ブラビアを設置するときは、かならず二人で運んでください」とされています。大型のテレビは横幅があり、1人で持つと画面の中央に力がかかったり、ねじれたりしやすくなります。
設置の順番は、①2人以上で本体の左右を持つ、②画面を押さないよう枠や本体の底を支える、③テレビ台に載せたらスタンドの位置を確認する、④転倒防止ベルトなどで固定する、の順です。ソニーの案内でも、テレビ台に設置する際は転倒防止ベルトを装着するよう勧めています。
地震対策としても転倒防止は重要です。前の家で使っていた転倒防止の部品が付属品の袋に入っているか、梱包時に確認しておきましょう。
新居の置き場所は「平ら・湿気や湯気が少ない」が条件
設置場所選びも、設定と同じくらい後の不調に関わります。平坦で安定した場所で、湿気やほこり、油煙、湯気を避けられる位置を選びましょう。
シャープの案内では、設置環境として平坦で安定した場所を選び、湿気やほこり、油煙、湯気を避けるよう記載されています。キッチンの近くや浴室に近い壁際は、湯気や油煙が届きやすい場所です。また、アンテナ端子やLANの差し込み口から遠い場所に置くと、ケーブルの長さが足りなくなることもあります。
決める順番は、①壁のアンテナ端子の位置を確認する、②コンセントとLANの位置を確認する、③テレビ台を置く位置を決める、④ケーブルが届くかを実際に当てて確かめる、の順です。家具を置き終わってから「アンテナ線が届かない」と気づくと、配置のやり直しが必要になります。
新居で最初に触るのは「地域設定」|初期スキャンと再スキャンの選び方

なぜ住所が変わるとチャンネルが合わなくなるのか
引っ越し後に局が映らない、番号がずれるといった症状の多くは、テレビが記憶している「前の地域の放送局とチャンネル」のまま動いていることが原因です。
地上デジタル放送は、県域などの放送エリアごとに放送局や使っている物理チャンネルが異なります。テレビは初期設定時に受信できた局を記憶しているため、引っ越し先の県域で局の構成が変わると、記憶している内容と実際の電波が合わなくなります。放送事業者の一覧は総務省の地デジデータベースに「テレビ放送事業者リスト」として掲載されています(2016年6月現在の掲載内容のため、最新の状況は各放送局の案内もあわせて確認してください)。
対処の順番は、①地域設定(県域・郵便番号など)を新居に合わせる、②チャンネルスキャンを行う、③リモコンのボタンに局が割り当てられたかを確認する、の3段階です。地域設定を飛ばしてスキャンだけ行うと、リモコンのボタンと局の対応が新居の地域のものにならないことがあります。
なお、A-PABが公開している受信エリアの地図は受信可能地域を保証するものではなく、エリア内でも建物や地形の影響で受信できない場合があるとされています。地図上で範囲内でも映らない場合は、この後の切り分けに進みましょう。
初期スキャンと再スキャンは「消すか・足すか」の違い
チャンネルスキャンには、多くの機種で「初期スキャン」と「再スキャン」の2種類があります。引っ越しで地域が変わった場合は、初期スキャンを基本に考えると迷いにくくなります。
ソニーのサポート情報では、初期スキャンは現在設定されているチャンネルをすべて初期化し、全チャンネルを設定し直すものと説明されています。一方で再スキャンについては「現在設定されているチャンネルに、新しく受信できたチャンネルが追加されます」とされています。つまり初期スキャンは「消してから探し直す」、再スキャンは「今の設定に足す」動作です。
選び方の順番は、①県をまたいだ、または放送エリアが変わった可能性がある場合は初期スキャン、②同じ地域内の近所への引っ越しで、映る局が一部だけ足りない場合は再スキャンを試す、③再スキャンで改善しなければ初期スキャンに切り替える、の順です。
判断のコツとして、再スキャンは前の地域の局の情報が残るため、見られない局がリモコンに割り当てられたままになることがあります。「押しても映らないボタンがある」場合は、初期スキャンでやり直すと整理されることがあります。
実は「再スキャンの方が安全」とは限らない
意外と知られていないけれど、「今の設定を消したくないから再スキャン」という選び方は、県をまたぐ引っ越しでは使えないことがあります。
ソニーのサポート情報には「[県域]を変更した場合は、[再スキャン]は選べません」と明記されています。県域を変える以上、前の県の局の構成を前提にした「足し算」の設定は成り立たないためです。県域を変更したら、県域を設定してから初期スキャンを行う、という流れになります。
試す順番は、①地域設定で新居の県域を選ぶ、②郵便番号を入れ直す、③初期スキャンを実行する、④リモコンの各ボタンで局が映るか順に確認する、の順です。初期スキャンで消えるのはチャンネルの設定であり、録画番組が消えるわけではありません(録画番組に関わるのは本体の初期化で、これは後のセクションで扱います)。
「初期」という言葉から、テレビ全体が工場出荷時に戻るような印象を受けがちですが、チャンネルスキャンの初期化と本体の設定リセットは別の操作です。この2つを混同しないことが、引っ越し後の設定で失敗しないポイントです。
郵便番号を入れ直すとデータ放送の地域も新居になる
チャンネルが映るようになっても、データ放送の天気予報や地域ニュースが前の街のまま、ということがあります。これは郵便番号の設定が旧住所のままになっているのが原因です。
ソニーのサポート情報では、郵便番号が異なるとデータ放送の天気予報などで異なる地域が表示されると説明されています。パナソニックのビエラでは、かんたん設置設定の中で郵便番号・都道府県名・市外局番を入力する流れになっています。郵便番号はチャンネルの受信そのものには関係しなくても、地域に合わせた情報表示に使われます。
確認の順番は、①地域設定のメニューで郵便番号の欄を開く、②新居の郵便番号を入力する、③データ放送ボタンを押して天気予報の地域を確認する、の順です。
地域設定を先に済ませておけば、スキャン後にもう一度メニューを開く手間も省けます。「地域→スキャン」の順番はここでも効いてきます。
県域=テレビに設定する放送エリアの単位。引っ越し先の県に合わせて選び直す。
初期スキャン=今のチャンネル設定をすべて消してから、受信できる局を探し直す操作。
再スキャン=今のチャンネル設定を残したまま、新しく受信できた局を追加する操作。県域を変えた場合は選べない機種がある。
地域設定とスキャンの流れをつかんだら、県域や郵便番号をどう入れるかも詳しく見ておくと迷いません。

メーカーでメニュー名が違う|ソニー・REGZA・シャープ・パナソニックの入り口早見表
地域設定とチャンネルスキャンの考え方はメーカー共通ですが、メニューの名前と入り口は各社で異なります。下の表は、各社の公式サポートに記載のある範囲だけを横断して並べたものです。公式に記載が見つからなかった項目は「記載なし」とし、推測で埋めていません。
| 項目 | ソニー | REGZA | シャープ | パナソニック |
|---|---|---|---|---|
| 地域の入れ直し | 県域を設定してからスキャン | 確認したFAQに記載なし(取扱説明書で確認) | 初期設定→地域設定 | かんたん設置設定で郵便番号・都道府県名・市外局番を入力 |
| スキャンの入り口 | 初期スキャン/再スキャンを選択(メニュー名は機種で異なる) | 設定→初期設定→チャンネル設定→地上デジタル自動設定 | チャンネル設定→地上デジタル自動→初期スキャン | かんたん設置設定の画面指示に従う |
| 公式に記載のある注意 | 県域を変更すると再スキャンは選べない | 放送受信設定側から再スキャンする経路もある | チャンネル設定の前に地域設定を行う | ネットワークもかんたん設定で自動接続可能 |
ソニー ブラビア:県域を先に決めてから初期スキャン
ブラビアで県をまたいで引っ越した場合は、県域の設定を先に済ませ、そのうえで初期スキャンを実行する流れが基本です。
ソニーのサポート情報では、スキャンは県域を設定してから行うこと、県域を変更した場合は再スキャンを選べないことが案内されています。初期スキャンは現在のチャンネル設定をすべて初期化して全チャンネルを設定し直すため、前の地域の局が残らず、新居の局だけで整理されます。
試す順番は、①設定メニューからチャンネル設定の項目を開く、②県域を新居の県に変更する、③郵便番号も新居のものに入れ直す、④初期スキャンを実行する、⑤リモコンのボタンで各局を確認する、の順です。メニューの名前や階層は発売時期や機種によって異なるため、お使いの型名の取扱説明書で表記を確認してください。
スキャン後に局数が極端に少ない、あるいはゼロ件の場合は、設定の問題よりもケーブルの差し先やアンテナ側を疑う段階です。次のセクションの切り分けに進みましょう。
REGZA:設定ボタンから「地上デジタル自動設定」へ
REGZAでは、リモコンの設定ボタンからチャンネル設定に入り、地上デジタル自動設定を実行するのが公式FAQで案内されている手順です。
REGZAのFAQには「リモコンの[設定]ボタンを押して【初期設定】→【チャンネル設定】→【地上デジタル自動設定】の順に進みます」と記載されています。また、機種によっては放送受信設定→地上デジタル設定→地上デジタルスキャン設定から再スキャンする経路も案内されています。
試す順番は、①県をまたいだ引っ越しなら初期設定側の地上デジタル自動設定を実行する、②同じ地域内で一部の局が足りないだけなら、地上デジタルスキャン設定から再スキャンを試す、③それでも局が揃わなければ自動設定でやり直す、の順です。
地域設定の具体的なメニュー位置は、今回確認した公式FAQの記載範囲には含まれていませんでした。機種ごとの取扱説明書で「地域設定」「郵便番号」の項目を確認し、自動設定の前に新居の情報になっているかを見ておくと安心です。
シャープ AQUOS:地域設定→地上デジタル自動→初期スキャン
AQUOSは、チャンネル設定の前に地域設定を行う順番が公式に示されています。地域→スキャンという原則がメニューの順番にもそのまま表れているメーカーです。
シャープの案内では、初期設定から地域設定を行い、その後チャンネル設定→地上デジタル自動→初期スキャンと進む流れが示されています。地域設定を飛ばしてスキャンだけを実行すると、新居の県域に合った割り当てにならない可能性があるため、この順番を守ることが大切です。
試す順番は、①リモコンのメニューから初期設定を開く、②地域設定で新居の都道府県や郵便番号を入力する、③チャンネル設定→地上デジタル自動→初期スキャンを実行する、④スキャン結果の局数とリモコンの割り当てを確認する、の順です。
機種によってメニューの階層や名前が少しずつ異なることがあります。画面に表示される項目名が違う場合は、型名で取扱説明書を開き、「地域設定」「チャンネル設定」の章を確認しましょう。
パナソニック ビエラとその他のメーカー:かんたん設置設定と取扱説明書
ビエラは、かんたん設置設定の中で地域情報の入力からチャンネル設定までを画面の指示に沿って進められるのが特徴です。
パナソニックの引っ越しの案内では、かんたん設置設定で郵便番号・都道府県名・市外局番を入力し、画面の指示に従って設定を進める方法が紹介されています。ネットワークの接続もかんたん設定の中で自動接続できるとされており、引っ越し後の設定をまとめて済ませやすい設計です。
試す順番は、①かんたん設置設定を開く、②郵便番号・都道府県名・市外局番を新居のものにする、③画面の指示に従ってチャンネル設定を進める、④ネットワークの接続も同じ流れで確認する、の順です。
LG、ハイセンス、TCL、FUNAI、アイリスオーヤマなど他のメーカーも、地域設定とチャンネルスキャンが必要という原理は共通です。ただしメニュー名やボタン操作は機種ごとに異なるため、本記事では手順の具体値を書かず、お使いの型名の取扱説明書のチャンネル設定手順に従うことをおすすめします。
スキャンしても映らないときに試す5つの順番|ケーブルの芯からB-CASまで
手順1:「地上」ボタンとアンテナレベルを確認する
スキャンをしても映らないときは、まず今見ているのが地上デジタル放送になっているか、そして電波がどれくらい届いているかを確認します。
FUNAIのセルフチェックでは、地上ボタンで地デジに切り替える→アンテナレベルを確認する→アンテナケーブルの芯の曲がりを確認する→チャンネルスキャン→アッテネーター設定の変更、という確認の順番が示されています。BSやCS、外部入力のままになっていると、地デジの局が映らないように見えることがあります。
試す順番は、①リモコンの「地上」ボタンを押す、②設定メニューからアンテナレベル(受信強度)の表示を開く、③表示された数値を機種の目安と比べる、の順です。FUNAIでは目安の数値が機種によって異なり、20以上とする機種と24以上とする機種があると案内されています。
判断のコツとして、アンテナレベルの目安はメーカーや機種ごとに違うため、他社の数値をそのまま当てはめないことが大切です。お使いの機種の取扱説明書で目安を確認しましょう。
手順2:ケーブルの芯と差し込みを確かめる
アンテナレベルが低い、あるいはゼロのときに多いのが、アンテナケーブルの接続の問題です。運搬や取り外しの際に、ケーブル先端の芯が曲がっていることがあります。
FUNAIのセルフチェックでは「ケーブルの芯が「折れ曲がっていないか」確認し、接続し直す」よう案内されています。アンテナケーブルのF型コネクターなどは、中心に細い芯が出ている構造で、斜めに押し込んだり、線を引っ張って抜いたりすると曲がりやすい部分です。
試す順番は、①電源プラグを抜く、②テレビ側と壁側の両方のアンテナケーブルを外す、③芯がまっすぐ出ているか目で確認する、④写真とラベルを見て「地上デジタル入力」に挿し直す、⑤電源を入れてアンテナレベルを再確認する、の順です。
芯が大きく曲がっていたり折れていたりする場合は、無理に戻さずケーブルごと交換を検討します。壁の端子そのものが緩んでいる、内部が見えているといった場合は、自分で分解せず管理会社や電気工事店に相談しましょう。
手順3:集合住宅は「CATV対応」でスキャンし直す
マンションやアパートに引っ越して、一部の局だけ映らない、スキャンで見つかる局が少ないという場合は、スキャンの種別が建物の配信方式と合っていない可能性があります。
FUNAIのセルフチェックには「一戸建ては「通常またはCATV対応」、集合住宅は「CATV対応」を選択」とあります。集合住宅では、共用アンテナやケーブルテレビの設備を通して建物内に電波を配っていることがあり、通常のスキャンでは一部の局を拾えない場合があるためです。
試す順番は、①チャンネル設定のメニューでスキャンの種別(方式)の項目を探す、②集合住宅ならCATV対応を選ぶ、③初期スキャンを実行する、④局が揃ったかを確認する、の順です。この項目の名前はメーカーや機種で異なるため、取扱説明書で確認してください。
失敗パターン②:戸建て時代の設定のまま集合住宅でスキャンする。前の家が一戸建てで、スキャン種別を通常のまま使っていた場合、集合住宅に移ってから同じ設定でスキャンを繰り返しても一部の局が見つからないことがあります。何度スキャンしても結果が同じなら、種別をCATV対応に切り替えてからやり直すのが対策です。建物の配信方式が分からない場合は、管理会社に問い合わせると確認できます。
手順4・5:B-CASカードのテストとコンセントリセット
接続とスキャンの種別を確認しても映らない場合は、カードや本体側の一時的な不具合を疑う段階です。ここまで来ても、まだ故障と決めつける必要はありません。
パナソニックの案内では「ケーブル類の接続をよく確認し、それでも改善されない場合はB-CASカードをテストします」とされています。FUNAIのセルフチェックでは、E202が表示された場合にコンセントリセット(電源プラグを抜いて挿し直す操作)を試すよう案内されています。
試す順番は、④B-CASカード式の機種ならカードの向きと挿し込みを確認し、機種のメニューにカードのテスト項目があれば実行する、⑤電源プラグを抜いてしばらく待ってから挿し直すコンセントリセットを行う、の順です。FUNAIの確認順では、アッテネーター(入力する電波を弱める機能)の設定を変える方法も最後に挙げられているので、該当する機種は取扱説明書で確認しましょう。
ここまで試しても直らない場合、アンテナの向き調整や老朽化に伴う取り換え、ブースター設置が必要になることがあるとFUNAIは案内しています。いずれも屋根上や高所の作業を含むため自分では行わず、電気工事店やアンテナ業者、賃貸なら管理会社に相談しましょう。エラー表示ごとの意味は別の記事で整理しています。

| 状況 | まず試すこと | 直らないときの目安 |
|---|---|---|
| 全局が映らない | 地上ボタン・アンテナ線の差し先・芯の曲がりを確認 | アンテナレベルが目安未満なら管理会社や電気工事店に相談 |
| 一部の局だけ映らない | 地域設定を確認し、初期スキャンでやり直す | 集合住宅ならCATV対応でスキャンし直す |
| 押しても映らないボタンがある | 再スキャンで残った旧地域の局を初期スキャンで整理 | 県域の設定が新居になっているか再確認 |
| E202などエラー表示 | 接続確認→B-CASカードのテスト→コンセントリセット | 改善しなければメーカー公式サポートへ相談 |
B-CAS/ACASカードは挿し直しが必要?紛失・住所変更のときの扱い
最初に確認したいのは、お使いのテレビが「B-CASカードを挿すタイプ」か「ACASチップ内蔵タイプ」かです。ACAS内蔵機はカードの抜き差しが不要で、引っ越しで気にするのはチャンネル設定と配線が中心になります。
ACAS内蔵機はカードの抜き差し作業がいらない
近年のテレビの中には、B-CASカードの代わりにACASチップを本体に内蔵している機種があります。この場合、カードの取り外しや挿し直しを心配する必要はありません。
ソニーの引っ越しの案内では、B-CASカードの挿し直しについて「ACASチップのブラビアは、本体に内蔵されているため、この作業は不要」と説明されています。ACASチップは本体内部の部品なので、運搬中に紛失したり、挿し込みが浅くなったりすることがありません。
確認の順番は、①取扱説明書でB-CASカードの記載があるかを確認する、②本体にカードの挿入口があるかを見る、③どちらか分からなければ型名でメーカー公式サイトの仕様を調べる、の順です。
ACAS内蔵機で映らない場合は、カード以外の要因、つまり地域設定・スキャン・配線・アンテナ側を順に確認していくことになります。前のセクションの5つの順番をそのまま使えます。
B-CASカード式は抜き差しと向きを確認し、紛失は再発行
B-CASカードを使う機種では、運搬の際にカードを抜いて保管するか、挿したまま運ぶかを決めておきます。どちらにしても、新居では挿し込みの向きと深さを確認しましょう。
カードが浅く挿さっていたり向きが逆だったりすると、放送が映らない原因になります。パナソニックの案内でも、接続を確認しても改善しない場合はB-CASカードをテストするとされています。万一、運搬中にカードを破損・紛失した場合、B-CAS社の一般向けカードのページによれば「カード再発行費用は2,310円(送料、消費税込み)」で、再発行の対象は破損、紛失、または盗難等により再発行が必要になった場合とされています。
試す順番は、①電源プラグを抜く、②カードを抜いて向きを確かめる、③奥までしっかり挿し直す、④電源を入れてカードのテストや放送の受信を確認する、の順です。
カードを抜いて運ぶ場合は、付属品の袋に入れてテレビと同じ箱にまとめておくと紛失を防げます。前の家のカードを別のテレビに使い回す際の注意点は、別の記事で詳しく扱っています。

カードの住所変更の届出は公式で確認してから
「引っ越したらB-CASカードの住所変更が必要か」は迷いやすいところですが、断定する前に公式の窓口で確認するのが確実です。
B-CAS社の一般向けカードのページでは、破損や紛失時の再発行については記載があるものの、引っ越しに伴う住所変更の手続きについての明示的な記載は確認できませんでした。そのため本記事では、届出が必要かどうかを断定しません。気になる場合は、B-CAS社のカスタマーセンターに問い合わせてください(連絡先は公式サイトで確認できます)。
確認の順番は、①B-CAS社の公式サイトのFAQで最新の案内を探す、②記載がなければカスタマーセンターに問い合わせる、③有料放送を契約している場合は、その契約先の案内も確認する、の順です。
なお、NHKの受信契約に関する住所変更などの手続きは本記事の対象外です。必要な方はNHKの公式案内で確認してください。
引っ越しテレビ設定で後回しにしがちなネット・録画・処分の手順
Wi-Fiは親機が同じなら設定をそのまま使える
ネット動画を見るためのインターネット設定は、回線や機器が変わらなければ引っ越し後もそのまま使えることがあります。変わった場合だけ設定し直せば十分です。
ソニーの引っ越しの案内では、回線業者や接続機器に変更がなければネットワークの再設定は不要で、Wi-Fiも親機が同じなら既存の設定のまま使えるとされています。逆に、引っ越し先で回線やルーターが変わった場合は再設定が必要です。パナソニックでは、かんたん設定の中でネットワークも自動接続できると案内されています。
試す順番は、①新居でルーターの電源を入れ、インターネットにつながることをスマートフォンで確認する、②テレビのネットワーク設定を開き、接続状態を確認する、③つながらなければルーターが変わっていないかを確認し、新しい親機に接続し直す、の順です。
回線の開通がテレビの設置より遅れることもあるため、ネット動画は回線が使えるようになってから確認する、と割り切っておくと焦らずに済みます。Wi-Fiがつながらないときの切り分けは別の記事でまとめています。

LANケーブルは長さが変わる。届かなければWi-Fiに
有線LANでテレビをつないでいた場合、新居ではルーターとテレビの距離が変わり、手持ちのケーブルが届かないことがあります。
ソニーの案内ではLANケーブルについて「設置場所によっては長さが変わる場合があります」と注意され、Wi-Fi接続で代替する方法も示されています。YouTubeなどのネット動画アプリを使うには、LANケーブル(有線)またはWi-Fiでインターネットに接続されている必要があります。
試す順番は、①ルーターとテレビの位置を確認する、②手持ちのLANケーブルが届くか当ててみる、③届かなければWi-Fi接続に切り替える、④ネット動画アプリを起動して再生できるか確認する、の順です。
床をまたいでケーブルを長く這わせると、つまずきや断線の原因になります。無理に有線にこだわらず、Wi-Fiで十分な速度が出るならそちらを選ぶのも現実的な判断です。
録画用USBハードディスクは「初期化しない」が最大の注意点
録画用のUSBハードディスクをつないでいる場合、引っ越しを機にテレビ本体を初期化すると、それまでの録画番組が再生できなくなることがあります。
ソニーのサポート情報では、設定情報リセットについて「「USBハードディスク機器の登録情報は削除され、録画番組は再生できなくなります」」と説明されています。また「「設定情報リセット]をした場合、設定を元に戻すことはできません」ともあります。チャンネルスキャンと違い、本体の設定リセットは取り返しがつかない操作です。
試す順番は、①本体の初期化はせず、チャンネルスキャンだけで設定を合わせる、②ハードディスクを元のUSB端子に写真とラベルを頼りに接続し直す、③録画一覧を開いて番組が表示されるかを確認する、の順です。
「映らないから一度全部リセットしよう」と考えがちですが、引っ越しで必要なのは地域設定とチャンネルスキャンです。本体の初期化は、テレビを手放すときの作業だと覚えておきましょう。
引っ越しを機に手放すなら初期化・サインアウト・リサイクル料金
引っ越しに合わせてテレビを買い替える、譲る、処分する場合は、ここで初めて本体の初期化が必要になります。その前にアプリのサインアウトを済ませておきましょう。
ソニーのサポート情報では、デジタル放送対応機について「お客様の個人情報がテレビに記録されているため、かならずお客様ご自身で設定の初期化を行なってください。」とされています。また、YouTubeなどのアカウント情報は初期化しても消えないため、初期化の前にログアウト(サインアウト)するよう案内されています。視聴制限の暗証番号は初期化しても消去されない点も記載されています。
手順は、①ネット動画アプリからサインアウトする、②録画番組で残したいものがあれば扱いを決める、③設定の初期化を実行する、④リサイクルの方法を決める、の順です。ソニー製の液晶・有機ELテレビのリサイクル料金は、15インチ以下が1,870円、16インチ以上が2,970円(いずれも税込)と公式に掲載されています。リサイクル料金はメーカーごとに異なるため、他社製は家電リサイクル券センターなどでメーカー名から確認し、回収窓口は自治体の公式案内で確かめてください。
| 引っ越しのパターン | まず試すこと | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 同じ市内の近所へ | 郵便番号の入れ直し→再スキャン | 局が欠けたら初期スキャンに切り替え |
| 県をまたぐ | 県域の変更→初期スキャン | 県域を変えると再スキャンを選べない機種がある |
| 戸建てから集合住宅へ | スキャン種別をCATV対応にして初期スキャン | 建物の配信方式は管理会社で確認 |
| 引っ越しを機に買い替え | 旧テレビはサインアウト→初期化 | リサイクル料金はメーカーで異なる |
まとめ|引っ越しテレビ設定は「地域→スキャン→配線確認」の順で
新居でテレビをつないだら、最初の一歩として設定メニューの「地域設定」を開き、県域と郵便番号が新しい住所になっているかを確認してください。そこから初期スキャンに進めば、多くのケースで作業はひと区切りつきます。映らない局が残ったときだけ、ケーブルの差し先、スキャン種別、カードの順に確かめていけば十分です。
※メニュー名や手順は機種・時期によって異なるため、最新情報はメーカー公式サポートでご確認ください。

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