新居に荷物を運び込み、テレビの電源を入れたら受信できないという表示が出た。あるいは映るけれど、データ放送の天気予報が前の街のまま。引っ越しのあとのテレビは、壊れていなくてもこうした状態になりがちです。原因の多くは故障ではなく、テレビが前の住所の放送を覚えたままになっていることにあります。
結論から言うと、引越し後にやり直すテレビの設定は、地域設定(県域・郵便番号)とチャンネルスキャンが中心です。配線やリモコン、ネット接続は基本的に元に戻す作業で、B-CASカードは挿し直すだけ、ACASチップ内蔵の機種ならカードの作業自体がありません。順番を守れば、工具も業者も要らずに終わるケースが多くあります。
この記事では、運び出す前の準備から、新居での設置、メーカー別のスキャン手順、スキャンしても映らないときの住まい別の切り分け、カード・ネット・録画の引き継ぎまでを、ソニー・シャープ・パナソニック・FUNAIの公式サポート情報と総務省・B-CAS社の案内をもとに、試す順番どおりに整理します。
・引っ越しでやり直す設定と、つなぎ直すだけで済む作業の区別
・初期スキャンと再スキャンの違いと、県域が変わったときの選び方
・ソニー・シャープ・パナソニック・FUNAIの設定の入り口
・スキャンしても映らないとき、戸建て・集合住宅・ケーブルテレビで変わる連絡先
引越し テレビの設定でやり直すのは何?作業は大きく4つに分かれる

やり直しの中心は地域設定とチャンネルスキャン
引っ越し後のテレビで一番に疑うのは、受信するチャンネルの情報が旧居のままになっていることです。地上デジタル放送は地域ごとに受信できる放送局やチャンネルが異なるため、テレビは設置した場所で受信できるチャンネルを記憶しています。住む場所が変われば、その記憶を新しい場所に合わせ直す必要があります。
B-CASカードを発行する株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズのFAQでも、「引っ越しによって、受信機の地域設定・チャンネルスキャンが再度必要になります。設定方法につきましては、お使いの受信機の説明書にてご確認ください。」と案内されています(B-CAS よくある質問)。
自分で試す順番は、テレビの設定メニューで県域(都道府県など)と郵便番号を新住所に変え、そのあとチャンネルスキャンを実行する流れです。スキャンは数分かかるので、途中で電源を切らずに待ちます。この2つを済ませても映らない場合に初めて、配線やアンテナ側を疑います。いきなりアンテナ工事を依頼する前に、設定のやり直しで解決するかを確かめるのが判断のコツです。
配線とリモコンは「元に戻す」作業が中心
配線とリモコンは、新しく設定するというより、旧居と同じ状態に戻す作業です。アンテナケーブル、HDMIケーブル、レコーダーやサウンドバーとの接続を、外したときと同じ端子に挿し直せば、テレビ側の設定を変えずにそのまま使えることが多くあります。
つまずく原因で多いのは、どのケーブルがどの端子だったか分からなくなることと、HDMIの差し先がずれて入力切替の番号が変わることです。ソニーの引っ越し案内では、引っ越し前にケーブルに付けた目印(荷造り札)と本体に貼ったシールの番号を合わせて取り付ける手順が示されており、リモコンは電池を入れ直し、乾電池の向きに注意するよう書かれています(ソニー 引っ越し時の設定)。
試す順番は、番号どおりにケーブルを挿す、電源コードをコンセントに挿す、電源ランプの点灯を確認する、リモコンの電池を入れ直す、の順です。シャープの案内では、電源ランプが点灯しなければ電源ケーブルの緩みを確認するよう示されています。ランプが点かない状態でスキャンを試しても先に進めないので、まずは電源まわりを確実にしてから次の段階に移ります。
B-CASカードは挿し直し、ACAS内蔵機はカードの作業なし
カードまわりは、テレビの世代によって作業の有無が分かれます。赤や青のB-CASカードを挿す機種では、運搬中に抜けないようにして新居で挿し直します。一方、ACASチップを本体に内蔵した新しい機種ではカードそのものがありません。
ソニーの案内では「ACASチップのブラビアは、本体に内蔵されているため、この作業は不要です。」と書かれています(ソニー 引っ越し時の設定)。カードを挿す機種の場合は、パナソニックの案内にあるとおり、軽くテープで止めて抜けないようにするか、抜いて取扱説明書と同じ場所に保管しておくと紛失を防げます。
意外と知られていないけれど、引っ越しで何か手続きが要りそうに思えるB-CASカードについて、B-CAS社のFAQの回答が案内しているのは地域設定とチャンネルスキャンの再実施だけで、住所変更の手続きには触れていません。つまり、カードに関して引っ越しで最優先になるのは書類ではなく、テレビ側の設定です。ただし手続き不要と公式に明記されているわけではないため、有料放送を契約している場合は、契約先に住所変更の扱いを確認しておくと安心です。
住まいと機器構成で作業量が変わる
同じ引っ越しでも、読者の状況によって作業量には差が出ます。最初に自分がどのタイプかを把握しておくと、どこで時間がかかりそうかを予想できます。
一人暮らしでテレビ1台だけという場合は、配線はアンテナケーブルと電源程度で、地域設定とスキャンが済めば終わりというケースが多くあります。家族世帯でレコーダーやサウンドバー、ゲーム機をつないでいる場合は、HDMIの差し先と入力切替の対応、予約録画の設定し直しまで作業が広がります。県をまたぐ引っ越しでは県域の変更が必要になり、同じ市内の引っ越しでも郵便番号の変更は必要です。
住まいの受信形態でも変わります。戸建ての個別アンテナ、マンションの共同アンテナ、ケーブルテレビでは、映らなかったときの連絡先が異なります。この点は後の章で詳しく扱います。判断のコツは、作業量が多い構成ほど、運び出す前の記録(番号と写真)が効いてくることです。準備を省くと、新居で配線を一から推理することになります。
| 作業 | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 地域設定・スキャン | 県域と郵便番号を新住所にしてからチャンネルスキャン | 郵便番号を変え忘れて天気予報が旧地域のまま |
| 配線・リモコン | 番号どおりに挿し直し、電池を入れ直す | HDMIの差し先がずれて入力が合わない |
| B-CAS/ACAS | カードは挿し直し、ACAS内蔵機は作業なし | 運搬中にカードが抜けて紛失 |
| ネット・録画 | 回線や親機が同じならつなぎ直すだけ、予約録画は設定し直し | スキャン後に予約が正しく動かない |
運び出す前に残すべきものは?ケーブルの番号と背面の写真
同じ番号のラベルを2枚ずつ作る
引っ越し当日の作業を一番楽にするのは、外す前に付ける番号ラベルです。ケーブル側と端子側に同じ番号を付けておけば、新居では番号を合わせて挿すだけになります。
シャープのAQUOSの案内では、「「製品の種類」と「数字」を組み合わせて、テープに書きましょう。」とされ、テレビ・1のような書き方で、接続ケーブル用と本体端子用に同じラベルを2つずつ作る方法が紹介されています(シャープ 引っ越しワンポイント)。パナソニックの案内でも、ケーブルに巻く1枚と端子に貼る1枚に同じ番号を書く方法が示されています。
テープ選びにも注意点があります。パナソニックの案内では、ガムテープは跡が残るので避け、セロハンテープかマスキングテープを使うよう書かれています。試す順番としては、まずテープとペンを用意し、テレビの背面から出ているケーブルを1本ずつ確認しながら番号を振ります。レコーダーやサウンドバーなど、テレビ以外の機器側の端子にも同じ番号を付けておくと、機器同士のつなぎ方も再現できます。番号付けを省いてよいのは、アンテナケーブルと電源しかつないでいない場合くらいです。
背面の写真で端子の位置まで残す
ラベルに加えて、テレビやレコーダーの背面をスマートフォンで撮っておくと、新居での迷いがさらに減ります。ラベルは番号の対応を示しますが、写真は端子の位置関係や、ケーブルがどの方向から来ていたかまで残せます。
シャープの案内でも、デジカメやスマホで機器の後ろ側の写真を撮っておくと、引っ越し先で写真を見ながら配線を戻せると紹介されています。HDMI端子が複数並んでいる機種では、どの番号の端子にレコーダーやゲーム機をつないでいたかが入力切替の番号と対応しているため、写真が役立ちます。
撮る順番は、ケーブルを挿したままの背面全体、端子まわりの接写、壁のアンテナ端子とテレビをつなぐケーブルの順です。暗くて見えにくい場合は、スマートフォンのライトを点けて撮ると端子の刻印まで写ることがあります。写真は引っ越し後にも使うので、アルバムに分かりやすい名前を付けておくと探しやすくなります。ラベルと写真の両方があれば、どちらかが剥がれたり見つからなかったりしても、もう一方で補えます。
外す順番は電源→コンセント→ケーブル
ケーブルを外すときは、電源を切ってから、電源コードを抜き、そのあとで各種ケーブルを外すのが基本の順番です。通電したままケーブルを抜き差しすると、機器に負担がかかることがあります。
シャープの案内では、先に電源を切り、「電源が切れた事を確認したら、それぞれの電源コードをコンセントから抜きます。」と示されたうえで、アンテナケーブルや各種接続ケーブルを外す流れになっています(シャープ 引っ越しワンポイント)。外すときはケーブルではなくコネクター部分を持ち、ゆっくり外すよう書かれています。レコーダーやBD内蔵テレビの場合は、電源を切る前にディスクが入っていないかも確認します。
外したケーブルの束ね方にも公式の注意があります。パナソニックの案内では「ただし、束ねる際に輪ゴムを使うと変形したり、無理な力がかかって断線する場合があります。」とされ、結束用の針金やチャック付き袋にまとめ、テレビ背面に貼っておく方法が紹介されています(パナソニック ビエラの引っ越し)。ケーブルとテレビを一緒にしておくと、新居で探す手間も省けます。
失敗例:番号を付けずに外して入力番号がずれた
よくある失敗は、配線は単純だからと番号を付けずに外し、新居でHDMIの差し先がずれるケースです。テレビは映るのに、レコーダーの画面が出ない、ゲーム機を切り替えるとリモコンの入力ボタンの番号が以前と違う、という状態になります。
原因は、テレビのHDMI端子に振られた番号と入力切替の表示が対応していることにあります。以前はHDMI1につないでいたレコーダーをHDMI2に挿すと、入力切替もHDMI2を選ばないと映りません。機器によっては、特定の番号の端子だけがサウンドバーとの連携に対応していることもあり、差し先がずれると音がテレビから出なくなる場合もあります。
対策は、外す前のラベルと写真です。すでに外してしまった場合は、テレビ背面の端子の刻印を確認し、入力切替ボタンで一つずつ入力を変えて、どの機器が映るかを確かめます。サウンドバーなど音の連携がある機器は、取扱説明書の接続ページで対応端子を確認するのが近道です。故障を疑う前に、入力の番号と差し先の対応を確かめるのが判断のコツです。
電源を切り、電源コードをコンセントから抜いてからケーブルを外します。外すときはコネクター部分を持ち、ケーブルを引っ張らないこと。レコーダー類はディスクが入っていないかを先に確認し、束ねるときは輪ゴムを使わないようにします。
画面を割らずに運ぶには?縦にする・元箱・複数人の3原則

テレビは横に寝かせず縦にして運ぶ
薄型テレビを運ぶときに一番気をつけたいのは、画面を下や上にして寝かせないことです。段ボールに入れていても、横にした状態で荷物を重ねると、画面に力がかかります。
パナソニックの案内では「運ぶ際にテレビを横にすると、画面に負荷がかかります。テレビは縦にして運びましょう。」とされています(パナソニック ビエラの引っ越し、2018年7月時点の掲載と明記されたページ)。液晶・有機ELどちらのテレビでも、画面は外からの力に弱い部分です。
自分で運ぶ場合の順番は、スタンドを外すかどうかを取扱説明書で確認し、箱や毛布で画面を覆い、立てた状態で車に積むことです。車内では倒れないように固定し、上に荷物を載せないようにします。引っ越し業者に任せる場合でも、テレビであることを伝えておくと扱いを確認できます。運搬後に画面が割れていた場合は、設定では直らないため、保証や修理、買い替えの判断が必要になります。

元箱がなければ業者の専用箱か毛布でくるむ
テレビの梱包は、購入時の箱が残っていれば、それを使うのが一番安全です。元箱は緩衝材も含めて、そのテレビを輸送するために作られています。
パナソニックの案内でも、テレビの箱は緩衝材を含め輸送に適しているとされ、捨てた場合は引越し業者に梱包してもらうか、毛布などでしっかりくるむよう書かれています。シャープの案内では「ご購入されたときの箱が無い場合には、引っ越し業者によって、専用の箱を用意している場合がありますので、事前に確認しておきましょう。」とされています(シャープ 引っ越しワンポイント)。
試す順番は、まず元箱が残っていないかを押し入れや物置で探し、なければ見積もりの段階で業者にテレビ用の箱があるかを聞くことです。自分で運ぶなら、画面側に毛布を当て、角に緩衝材を入れてからくるみます。判断のコツは、見積もりの時点で確認することです。当日に箱がないと分かっても、用意が間に合わないことがあります。
大型は複数人で運び、置いたら転倒防止ベルト
大画面のテレビは、1人で持ち上げると体勢が崩れやすく、倒したり画面をぶつけたりする原因になります。運ぶときも、新居で台に載せるときも、複数人で作業するのが基本です。
シャープの案内では「液晶テレビの配線や移動をおこなうときは、テレビ本体を倒してしまったり、液晶画面を破損したりしないように注意しましょう。画面サイズの大きな液晶テレビの場合は、必ず複数人で移動するようにしましょう。」とされています(シャープ 引っ越しワンポイント)。ソニーの案内でも、設置時はかならず二人で運び、テレビ台の上では安定する位置に置くよう書かれています。
置いたあとの順番も大切です。ソニーの案内では「テレビ台の上に設置する場合は、転倒防止ベルトを取り付けてください。」とされています(ソニー 引っ越し時の設定)。旧居でベルトを使っていたなら、外した部品をテレビと一緒にまとめておくと、新居ですぐに取り付けられます。ベルトの取り付け方は機種で異なるため、取扱説明書の設置ページに従います。
置き場所は平ら・乾燥・風通しの3条件で選ぶ
新居での置き場所は、見やすさだけでなく、テレビが安全に使える環境かどうかで選びます。引っ越し直後は家具の配置が仮決めになりやすく、不安定な場所に置いたままになることがあります。
シャープの案内では、設置場所の注意として、傾斜のない平らな安定した場所に置くこと、湿気・ほこり・油煙・湯気を避けること、通気の悪い密閉場所を避けることが挙げられています。キッチンに近い場所や、壁に囲まれた収納棚の中は、条件に合わない場合があります。
試す順番は、まずテレビ台が水平かを確認し、台の奥行きがテレビのスタンドより広いかを確かめ、背面に放熱の隙間があるかを見ることです。アンテナ端子の位置によっては、テレビを置きたい場所まで既存のケーブルが届かないこともあります。その場合は無理に引っ張らず、長さの合うケーブルを用意するか、置き場所を端子の近くに変えるかで判断します。
地域設定とチャンネルスキャンはどちらが先?初期スキャンと再スキャンの選び方
先に県域と郵便番号、スキャンはそのあと
順番は、地域設定を先に、チャンネルスキャンをあとにするのが基本です。テレビは設定された地域の情報をもとにチャンネルを割り当てるため、地域が旧住所のままスキャンすると、新居の放送局が正しく並ばない場合があります。
地域設定には、県域(都道府県など受信する地域)と郵便番号の2つが含まれることが多くあります。ソニーの案内では「郵便番号が異なっていると、データ放送の天気予報などで異なる地域が表示されます。」とされています(ソニー チャンネル設定)。県域はチャンネルの割り当て、郵便番号はデータ放送の地域情報に関わる、と分けて考えると理解しやすくなります。
試す順番は、設定メニューから地域設定を開き、県域を選び、郵便番号を入力し、そのあとで地上デジタルの自動チャンネル設定からスキャンを実行します。スキャンは数分かかります。終わったら、地元の放送局がリモコンのボタンに割り当てられているかを確認します。判断のコツは、スキャン結果が不自然なときに、まず地域設定に戻って確認し直すことです。
初期スキャンと再スキャンは「消すか、足すか」の違い
チャンネルスキャンには、主に初期スキャンと再スキャンの2種類があります。どちらを選ぶかで、それまでのチャンネル設定が残るかどうかが変わります。
ソニーの案内では、初期スキャンは「設定済みのチャンネルを消去し、受信可能なチャンネルを自動で再設定します。」、再スキャンは「設定済みのチャンネルは変えず、自動で受信可能チャンネルを追加したり、変更になったチャンネルを更新したりします。」と説明されています(ソニー チャンネル設定)。
引っ越しの場合は、旧居の放送局の情報が残らないよう、初期スキャンを選ぶのが分かりやすい方法です。再スキャンは、同じ地域に住み続けていて、放送局の中継局が変わった場合などに既存の設定を活かしたいときに向いています。メーカーによっては初回スキャンなど別の名称になっていることもあるため、画面で消去して設定し直すのか、追加・更新するのかを読んで選びます。迷ったら、引っ越しでは消して設定し直す方を選ぶのが判断の目安です。
県域=テレビが受信する地域の区分(都道府県など)。初期スキャン=設定済みのチャンネルを消去して受信できるチャンネルを設定し直す方法。再スキャン=設定を残したまま、受信できるチャンネルの追加や更新を行う方法。
県域を変えたら初期スキャンを選ぶ
県をまたぐ引っ越しで県域を変えた場合、機種によっては再スキャンが選べなくなります。画面に再スキャンの項目が出てこないのは故障ではなく、仕様のことがあります。
ソニーのブルーレイディスクレコーダー(2016年以降のモデル)の案内では、「* [県域] を変更した場合は、[再スキャン] は選べません。」と注記されています(ソニー BDレコーダーのチャンネル設定)。これはレコーダーの案内ですが、県域が変われば放送局の構成自体が変わるため、設定を消去して一から取り直す初期スキャンが前提になる、という考え方はテレビにも当てはまります。
試す順番は、県域を新住所の地域に変える、郵便番号を入力する、初期スキャンを実行する、の3段階です。テレビとレコーダーの両方がある場合は、それぞれで地域設定とスキャンが必要です。レコーダーはテレビとは別にチューナーを持っているため、テレビだけ設定し直しても、レコーダー側の録画は旧居の設定のままになります。両方の設定を終えてから、録画予約の確認に進みます。
失敗例:郵便番号を旧住所のままにして予約録画もずれた
よくある2つ目の失敗は、スキャンで番組が映ったので安心し、郵便番号を旧住所のままにしてしまうケースです。放送は見られても、データ放送の天気予報やニュースが前の地域の内容になります。
原因は、スキャンと郵便番号の設定が別の項目になっていることです。スキャンが成功すれば放送は映るため、郵便番号の変え忘れには気づきにくくなります。さらにレコーダーでは、ソニーの案内で「スキャンをおこなった後は、予約録画が正しくおこなわれないことがありますので、予約を設定し直してください。」とされています(ソニー BDレコーダーのチャンネル設定)。番組表がすべて表示されるまでにも時間がかかるとされています。
対策は、スキャンの前に郵便番号まで入力を済ませること、スキャンのあとにデータ放送で天気予報の地域を確認すること、予約録画を一覧で見直して設定し直すことです。連続ドラマなどの繰り返し予約は、チャンネルが変わると対象から外れることがあります。引っ越し後に録画が残っていなかったら、故障より先に予約の設定を疑うのが判断の順番です。
メーカーで入り口の名前が違うだけ|ソニー・シャープ・パナソニック・FUNAIの手順
ソニー:放送受信設定から県域・郵便番号・自動チャンネル設定へ
ソニーのブラビア(Android TV・Google TVの機種)では、地域設定とスキャンは放送受信設定の中にまとまっています。項目の名前が分かれば、迷わずにたどり着けます。
ソニーの案内では、クイック設定またはホームから設定を開き、放送受信設定、チャンネル設定の順に進み、地域設定(県域)、地域設定(郵便番号)を入力したあと、地上:自動チャンネル設定から初期スキャンまたは再スキャンを選ぶ流れが示されています。あわせて「*モデルにより一部メニュー画面が異なります。」と注記されています(ソニー チャンネル設定)。
試す順番は、県域→郵便番号→初期スキャンです。スキャン後も映らない場合は、ソニーの案内でも地デジが映らないときのページを確認するよう示されています。画面の項目名が記事と違う場合は、古い機種の可能性があります。その場合は取扱説明書の設定ページを開き、放送受信やチャンネル設定に当たる項目を探すのが判断のコツです。
シャープ:視聴準備のかんたん初期設定を使う
シャープのAQUOSでは、引っ越し後の設定を、初期設定をやり直す形でまとめて行えます。地域の入力からチャンネル設定までを、画面の案内に沿って進める方式です。
シャープの案内では「ホームメニューより、「設定」→「視聴準備」→「かんたん初期設定」の順番に選択します。」とされ、以降は画面表示に従う流れです(シャープ 引っ越しワンポイント)。操作は機種により異なる場合があるため、取扱説明書で確認するよう書かれています。
試す順番は、配線を確認し、電源ランプの点灯を確かめ、そのうえでかんたん初期設定を実行することです。シャープの案内では、配線はラベルが合うように接続し、端子の向きを間違えず、抜けや緩みがないよう確実に取り付けるよう示されています。映らない場合は、アンテナケーブル・各種接続ケーブルの接続、放送切換(地上デジタル・BS・CS)が合っているかを確認し、それでも不可ならアンテナレベルを確認する順番です。
パナソニック:かんたん設置設定で郵便番号などを入力
パナソニックのビエラでは、引っ越し後の設定をかんたん設置設定という形で案内しています。画面の指示に沿って、地域に関する情報を入力していく方式です。
パナソニックの引っ越しの案内(2018年7月時点の掲載と明記されたページ)では、ビエラなら設定がかんたん!画面の指示に従うだけ!という項目で、必要なのは郵便番号・都道府県名・電話の市外局番とされ、所要は約10分との記述があります(パナソニック ビエラの引っ越し)。
リモコンのどのボタンから入るかといった具体的な操作は、機種によって異なります。この記事では公式FAQの本文でボタン操作を照合できていないため、手順は取扱説明書またはパナソニック公式FAQの型名別の案内に従ってください。試す順番としては、新住所の郵便番号と市外局番を手元に用意してから始めると、途中で調べ直す手間がなくなります。掲載時点が古いページなので、画面の項目名が異なる場合は取扱説明書を優先するのが判断のコツです。
FUNAI・REGZAなど:公式の確認順と取扱説明書に従う
FUNAIのテレビは、公式のセルフチェックで、映らないときの確認順が細かく示されています。引っ越し後のスキャンでも、この順番が参考になります。
FUNAIの案内では、放送切換が地上デジタルになっているか、アンテナレベル、アンテナケーブルの接続、初期スキャン、アッテネーターの変更の順に確認し、それでも受信できない場合は電気工事店などに相談する流れです。スキャン種別は一戸建て住宅などは通常またはCATV対応、マンションなどの集合アンテナはCATV対応とされています。F560などのシリーズでは、画面のアイコンからライブTV、放送オプション、地上デジタル、初回スキャンの順に進みます。アンテナレベルの推奨値は、F560・F460などのシリーズで20以上、5000・4000などのシリーズで24以上と示されています(FUNAI セルフチェック)。
REGZAやハイセンスなど、この記事で公式FAQの本文を照合できていないメーカーについては、具体的な操作は書きません。取扱説明書のチャンネル設定や初期設定のページに従い、地域設定→スキャンの順で進めてください。名称が違っても、地域を合わせてからチャンネルを取り直すという原理は共通です。
| 項目 | ソニー | シャープ | パナソニック | FUNAI |
|---|---|---|---|---|
| 設定の入り口 | 設定→放送受信設定 | 設定→視聴準備→かんたん初期設定 | かんたん設置設定(ボタン操作は取扱説明書で確認) | F560等はライブTV→放送オプション |
| 地域の入力 | 県域・郵便番号 | 画面表示に従う | 郵便番号・都道府県名・市外局番 | 公式に記載なし |
| スキャンの名称 | 初期スキャン/再スキャン | 初期設定の中で実行 | 公式で型名を確認 | 初回スキャン(集合アンテナはCATV対応) |
| 映らないときの案内 | 地デジが映らないページを確認 | 接続→放送切換→アンテナレベル | 公式で型名を確認 | アンテナレベル→接続→初期スキャン→アッテネーター |
スキャンしても映らない時は住まいの受信形態で連絡先が変わる
まず放送切換・ケーブル・アンテナレベルを確認する
地域設定とスキャンを済ませても映らない場合、最初に疑うのは、放送切換とケーブルの接続です。故障やアンテナの不具合を疑う前に、テレビの手元で確認できることがあります。
シャープの案内では、アンテナケーブル・各種接続ケーブルの接続を確認し、放送切換(地上デジタル・BS・CS)が合っているかを確認し、それでも映らなければアンテナレベルを確認する順番が示されています。FUNAIの案内でも、放送切換が地上デジタルになっているかが最初の確認項目です。また、アンテナレベルが推奨値以上なのに映らない場合について、FUNAIは「アンテナレベル(信号品質)が推奨値以上なのに「E202」のエラーコードが表示され、受信できない状態の場合は「コンセントリセット」をお試しください。」としています(FUNAI セルフチェック)。
試す順番は、放送切換→壁のアンテナ端子とテレビのケーブルの差し込み→アンテナレベルの確認です。受信不良は原因にかかわらず、画面が真っ黒になるブラックアウトか、映像が四角く崩れるブロックノイズとして現れます。アンテナレベルが低い場合は、テレビ側ではなく、建物のアンテナや配線側の問題の可能性が高くなります。ここから先は、住まいの受信形態によって相談先が変わります。

戸建て(個別受信)は自宅のアンテナ設備を疑う
テレビ放送の受信のしかたは、住まいによって異なります。総務省近畿総合通信局の案内では「デジタルテレビ放送の受信形態には、大きく分けて「個別受信」、「共同アンテナ(共同受信設備)」、「ケーブルテレビ」の3種類があります。」とされています(総務省近畿総合通信局 テレビの受信)。
戸建てで屋根や壁にアンテナが付いている場合は、個別受信に当たります。新居が中古住宅や以前の入居者が使っていた住宅の場合、アンテナやブースターが長く使われていたり、電源が入っていなかったりすることがあります。総務省近畿総合通信局の案内では、自宅のアンテナやブースターの故障が疑われる場合は、電気店・アンテナ工事専門店などに点検を依頼するよう示されています。
自分で試せる範囲は、室内のアンテナ端子とケーブルの確認、ブースターの電源が入っているかの確認までです。屋根に登ってアンテナの向きを直すなどの作業は、転落の危険があるため行いません。FUNAIの案内でも、アンテナまわりの調整は専門的な作業として、電気工事店やアンテナ設置業者への問い合わせが案内されています。テレビ側の設定を一通り終えても映らなければ、点検を依頼するのが判断の目安です。
マンション・アパート(共同受信)とケーブルテレビは管理側へ
集合住宅では、建物全体で1つのアンテナを共有する共同受信設備が多く使われています。この場合、アンテナや配線は入居者ではなく建物の管理側の設備です。
総務省近畿総合通信局の案内では、共同アンテナの故障が疑われるときは管理者に連絡するよう示され、「マンション、アパート、賃貸住宅等にお住まいの方は、管理会社や大家さんに連絡してください。」とされています。ケーブルテレビの場合は「ケーブルテレビの故障かな?と思ったときは、ケーブルテレビ会社に連絡してください。」とされています(総務省近畿総合通信局 テレビの受信)。
集合住宅での試す順番は、まずスキャンの種類を確認することです。FUNAIの案内では、マンションなどの集合アンテナはCATV対応のスキャンを選ぶよう示されています。建物によっては地上デジタルの信号が別の周波数に変換されて届くことがあるため、通常のスキャンでは一部のチャンネルが見つからない場合があります。それでも映らなければ、同じ建物の住人も映らないかを管理会社に問い合わせると、建物側か自分の部屋側かの切り分けにつながります。
BS・CSだけ映らないならアンテナ給電を確認
地上デジタルは映るのに、BS・CSだけが映らない場合は、アンテナへの電源供給を疑います。BS・CSのアンテナは、地上デジタルのアンテナと違い、動くために電力が必要です。
総務省関東総合通信局の案内では「BS及びCSアンテナは、テレビやレコーダー、専用チューナーから同軸ケーブルを通じて稼働に必要な電力が供給されています。」とされ、アンテナ給電の設定や分配器の接続方法によっては電力が供給されず映らないことがあると説明されています。さらに「特に、テレビなどを取り替えたり、増やしたりした場合は御注意ください。」とあります(総務省関東総合通信局 BS・CSの受信障害)。
試す順番は、テレビの設定でBS・CSアンテナへの電源供給(アンテナ給電)の項目がオンになっているかを確認することです。旧居では別の機器が給電していて、新居では誰も給電していない、という状態も起こります。集合住宅の場合は、同じ案内で「集合住宅の場合、住宅内の共同受信設備の形態によっては、受信できない場合があります。」とされているため、給電を確認しても映らなければ共同受信設備の管理者に相談します。複数台に分配すると壁の端子の出力が下がり、受信レベルが不足することもあります。
| 状況 | まず試すこと | 直らないときの相談先 |
|---|---|---|
| 戸建てで全局映らない | 放送切換・ケーブル・アンテナレベル・ブースター電源 | 電気店などに点検を依頼 |
| 集合住宅で映らない | CATV対応のスキャンを試す | 管理会社や大家さん |
| ケーブルテレビで映らない | 接続と放送切換の確認 | ケーブルテレビ会社 |
| BS・CSだけ映らない | アンテナ給電の設定を確認 | 集合住宅は共同受信設備の管理者 |
カード・ネット・録画はどう引き継ぐ?見落としやすい後始末
B-CASカードは挿し直し、紛失したら再発行の手続き
B-CASカードを使う機種では、新居でカードを元のスロットに挿し直せば、多くの場合そのまま使えます。引っ越しで気をつけたいのは、手続きより紛失と破損です。
パナソニックの案内では「B-CASカードは抜けないように軽くテープで止めるか、抜いて取扱説明書と同じ場所に保管しましょう。」とされています(パナソニック ビエラの引っ越し)。万一、破損や紛失、盗難があった場合は再発行の対象となり、B-CAS社の案内では再発行費用は2,310円(送料・消費税込み)とされています(B-CAS カードの再発行)。
試す順番は、テレビとレコーダーそれぞれのカードが挿さっているかを確認し、挿す向きを確かめて奥まで差し込むことです。複数の機器があるとカードを取り違えることがありますが、カードは機器ごとに使うものなので、外したときに機器名とカードを対応させて保管しておくと迷いません。カードを挿しても映らない場合は、カードより先に地域設定とスキャンを確認します。

ネット・Wi-Fiは回線と親機が同じならつなぎ直すだけ
ネット動画を見ているテレビでは、ネット接続の引き継ぎも気になるところです。回線や機器の構成が変わらなければ、テレビ側の設定はほとんど要りません。
ソニーの案内では「引っ越しする前とインターネット回線業者が同じ場合や、接続機器に変更がない場合は、インターネットケーブルをつなぎなおすだけで、そのままご利用可能です。」とされ、Wi-Fiも引っ越し前の親機をそのまま使う場合は設定不要とされています。一方で「引っ越し先でネットワークの変更があった場合は、再設定をしてください。」とあります(ソニー 引っ越し時の設定)。
試す順番は、ルーターを設置して通信できる状態にしてから、テレビのネット設定を確認することです。回線業者や親機を変えた場合は、新しいWi-Fiの名前とパスワードでつなぎ直します。ソニーの案内では、設置場所によってLANケーブルの長さが変わる場合があり、届かなければWi-Fi接続も選べるとされています(Wi-Fi搭載のルーター等が必要)。ネット動画だけ映らない場合は、放送の設定とは切り分けて、ネット側を確認します。
予約録画と番組表はスキャン後に見直す
録画機器を使っている家庭では、スキャンのあとに予約録画を見直す必要があります。チャンネルの設定が変わると、予約の対象がずれることがあるためです。
前の章で触れたとおり、ソニーのBDレコーダーの案内では、スキャン後は予約録画が正しくおこなわれないことがあるので、予約を設定し直すよう示されています。番組表がすべて表示されるまでにも時間がかかるとされています。引っ越し直後に番組表が空欄になっていても、しばらく待つと埋まる場合があります。
試す順番は、テレビとレコーダーの両方でスキャンを終える、番組表が表示されるまで待つ、予約一覧を開いて設定し直す、の順です。県をまたいだ引っ越しでは、見られる放送局の顔ぶれが変わるため、以前の予約番組が新居の地域では放送されていないこともあります。録画した番組そのものは機器に保存されているので、引っ越しで消えるわけではありません。録画が失敗していた場合は、機器の故障より先に予約の設定を確認するのが判断の順番です。
買い替えで旧テレビを手放すなら初期化とリサイクル料金を確認
引っ越しを機にテレビを買い替える場合は、旧テレビを手放す前に初期化とログアウトを済ませます。テレビには視聴に関する情報や、アプリのログイン情報が残っています。
ソニーの案内では「デジタル放送が受信出来る機種の場合、お客様の個人情報がテレビに記録されているため、かならずお客様ご自身で設定の初期化を行なってください。」とされ、YouTubeなどのネット動画アプリを使っている場合や長期間ログイン状態のアプリはログアウトするよう示されています(ソニー テレビの処分)。同じ案内では、テレビのリサイクル料金として、小型(15インチ以下)1,870円(税込)、大型(16インチ以上)2,970円(税込)が示され、小売店経由では別途運搬料金がかかるとされています。これはソニー製の場合の料金なので、他社製はメーカーごとに確認します。
試す順番は、アプリのログアウト→設定の初期化→B-CASカードの扱いの確認→処分方法の決定です。初期化は取扱説明書の手順に従います。
動画アプリのログアウトと設定の初期化は、自分で行うよう案内されています。初期化するとチャンネル設定なども消えるため、新居で使い続けるテレビでは行わないこと。処分するテレビだけが対象です。
まとめ|引越し テレビの設定は県域・郵便番号・スキャンの順
新居でテレビをつなぐ前に、まず新住所の郵便番号を手元にメモしておきましょう。配線を番号どおりに戻して電源ランプの点灯を確かめたら、設定メニューで県域と郵便番号を入力し、初期スキャンを実行する。この順番で進めれば、多くの場合は業者を呼ばずに見られる状態に戻せます。スキャンしても映らないときだけ、戸建てか集合住宅かケーブルテレビかで相談先を選んでください。
※最新情報はメーカー公式サポートでご確認ください。

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