テレビをつけたら「受信できません」と表示されて画面が真っ黒。昨日まで普通に映っていたのに、急に全チャンネルが映らない。そんなとき最初に浮かぶのは「アンテナが壊れたのでは」という不安です。屋根の上を見上げても何も分からず、業者を呼ぶべきか迷う人も多いはずです。
結論から言うと、映らない原因がアンテナ本体にあるとは限りません。アンテナケーブルの緩みや芯線の折れ、地デジとBSの線の差し違い、B-CASカードの接触、チャンネル設定のずれなど、家の中で確認できる原因が先に並びます。まずは画面に出るエラー表示と、テレビのメニューで見られるアンテナレベルの数値を確認し、信号がどこで途切れているかを切り分けるのが近道です。
この記事では、ソニー・パナソニック・シャープ・FUNAIの公式サポートと総務省の資料をもとに、メーカーが違っても共通する原因、安全なものから試す順番、そして屋根に登らずに「自分で直せる範囲か、相談すべきか」を判断する目安をまとめました。
・E201・E202などのエラー表示とアンテナレベルで「受信の問題か」を見分ける方法
・ケーブル・B-CASカード・再起動・チャンネル設定を安全な順に試す手順
・メーカーごとに違うアンテナレベルの目安(44・50・54・60・20・24)の読み方
・台風後・ブースター・700MHz障害など、家の外に原因があるときの相談先
テレビが映らない原因はアンテナ?まずエラー表示とアンテナレベルを見る

「映らない」と一口に言っても、画面に何が出ているかで疑う場所は大きく変わります。最初の数分でやるべきことは、ケーブルを抜いたり設定を変えたりすることではなく、いま画面に出ている情報を読むことです。
E201・E202が出ているなら、まず「受信」の問題を疑う
画面に「E201」「E202」といったエラーコードが出ている場合、テレビ本体の故障より先に、アンテナからテレビまでの信号の通り道を疑うのが順当です。
ソニーの公式サポートでは、E201を「アンテナレベルが低く、受信状態がよくない状態」、E202を「アンテナレベルがゼロで信号がなく、受信ができていない状態」と説明しています(ソニー公式サポート)。シャープもE201・E202・E203を地上デジタル放送の受信ができない状態を示すものとして案内しており、メーカーが違っても「信号が弱い/届いていない」という意味は共通です。
自分で確認する順番は、まずエラーが全チャンネルに出ているか、一部のチャンネルだけかを見ることです。全チャンネルでE202なら信号がほぼ届いていない状態なので、ケーブルの抜けや差し違いなど、配線の根元から確認します。一部のチャンネルだけE201なら、電波の弱さや受信環境の問題が考えられます。
判断のコツとして、エラーコードが出ていること自体は「テレビが受信状態を自己診断できている」証拠でもあります。本体の電源が入り、メニューが操作でき、エラー表示が出せるなら、まず受信まわりを順に確認する価値は十分にあります。
アンテナレベルは「数値の大小」より「ゼロかどうか」から見る
次に確認したいのが、テレビのメニュー内にあるアンテナレベル(受信強度・信号品質と表記するメーカーもあります)です。ここが最初の見立てを左右します。
原因の候補は、数値の出方で絞れます。ゼロや極端に低い値なら、ケーブルの抜け・芯線の折れ・差し違いなど、信号が物理的に途切れている可能性が高まります。ある程度の数値は出ているのに目安を下回る場合は、アンテナの向きのずれ、劣化、ブースターの不調など、信号は届いているが弱い状態が疑われます。目安以上なのに映らない場合は、チャンネル設定やB-CASカード、本体側の一時的な不具合を疑います。
確認の手順はメーカーによって異なります。パナソニックの公式FAQでは、チャンネルを選んでからリモコンの「サブメニュー」→「アンテナレベル」→「決定」の順で表示する方法が案内されています。シャープは台風などの後の対処として、テレビのメニューからアンテナ受信強度や受信信号品質を確認するよう案内しています。手元の機種の手順が分からない場合は、取扱説明書の「アンテナレベル」「受信強度」の項目を探してください。
注意点として、アンテナレベルの目安値はメーカーごとに物差しが違います。この点は後の章で詳しく比べます。

家中のテレビで映らないのか、1台だけなのか
テレビが2台以上ある家なら、ほかの部屋のテレビも同じように映らないかを確認してください。これだけで疑う範囲が半分以下に絞れます。
原因の考え方はこうです。家中のテレビがすべて映らない場合は、各部屋に信号を配る手前、つまりアンテナ本体・屋外のケーブル・ブースター・分配器など、共用部分に原因がある可能性が高くなります。1台だけ映らない場合は、そのテレビの背面のケーブル、壁のアンテナ端子、B-CASカード、テレビ本体の設定など、その部屋の中に原因が絞られます。総務省の東海総合通信局も、自宅で確認する項目としてケーブルの緩み、家中のテレビの映り、近所の映り、特定チャンネルか全チャンネルか、時間帯、B-CASカードを挙げています(総務省 東海総合通信局)。
テレビが1台しかない家でも、録画機のチューナーで同じ放送が見られるかを試すと、テレビ本体の問題か受信の問題かを分けやすくなります。
1台だけ映らない → その部屋のケーブル・端子・B-CASカード・設定を疑う。家中のテレビが映らない → アンテナ本体・ブースター・分配器など共用部分を疑う。近所の家も映らない → 地域の電波環境の問題の可能性があり、自宅の機器をいじる前に相談先を確認する。
家の中だけで試せる順番は?ケーブル・線の向き・カード・再起動
受信の問題らしいと見当がついたら、次は家の中でできる確認を安全なものから順に試します。いずれも工具や高所作業は不要で、部屋の中だけで完結するものです。
ケーブルやB-CASカードを抜き差しするときは、テレビの電源を切り、電源プラグを抜いてから作業してください。濡れた手で触らない、テレビ本体の裏ぶたを開けない、壁の中の配線を引き出さないことも大切です。屋根やベランダの外側など高所での作業は行わないでください。
ケーブルの緩みと「芯線の折れ」を目で確かめる
家の中で最初に確認したいのは、テレビ背面と壁のアンテナ端子の両方で、アンテナケーブルがしっかり差し込まれているかどうかです。掃除や模様替えでテレビを少し動かしただけでも、ケーブルが半分抜けかけることがあります。
シャープは台風などの後の対処として、壁や本体のアンテナ端子をご確認いただき、アンテナケーブルの接続が緩んでいないか確認するよう案内しています(シャープ AQUOS 公式)。また、FUNAIの公式自己診断では「アンテナケーブルを一旦取り外し、芯が折れ曲がっていないか、確認してください」と案内されています(FUNAI 公式)。
試す順番は、電源プラグを抜く→テレビ側のケーブルを外す→先端の中心にある細い芯線がまっすぐ出ているかを見る→差し直す→壁側も同じように確認する、です。芯線が曲がっていたり、根元から折れていたりすると、差し込んでいても信号が通りません。
判断のコツとして、芯線が折れている、被覆が裂けている、端子部分がぐらつくといったケーブルは、無理に曲げ直すより交換を検討するほうが安心です。ソニーの公式サポートでも、劣化したケーブルの交換が対処として挙げられています。
地デジとBSの線が逆につながっていないか
多くのテレビには、地上デジタル用とBS・CS用の2つのアンテナ端子があります。この2本が逆に差さっていると、片方またはどちらも映らなくなります。
ソニーの公式サポートは、地上デジタルが映らないときの確認として「BSのアンテナ線と逆に繋がっていないか確認」と案内しています(ソニー公式サポート)。引っ越しや買い替え、壁掛けへの変更などでケーブルを一度すべて外したあとに起きやすい原因です。
確認の順番は、テレビ背面の端子のそばにある表記(「地上デジタル」「BS・110度CS」など)を読み、それぞれに正しいケーブルが差さっているかを見ることです。壁側にも端子が2つある場合や、分波器という小さな部品で1本を2本に分けている場合は、分波器の出力側の表記も確認します。
ここで1つ目の失敗パターンを紹介します。模様替えでケーブルをまとめて抜き、同じ太さの2本を見た目で差し戻した結果、地デジは映らずBSだけ映る状態になり、アンテナの故障を疑ってしまうケースです。原因は差し違いなので、端子の表記どおりに差し直せば戻る可能性があります。対策として、ケーブルを外す前に、マスキングテープで「地デジ」「BS」と書いて巻いておくと再発を防げます。

B-CASカードは挿さっているか、向きと接触は正しいか
アンテナレベルが目安以上あるのに映らない場合、B-CASカードの接触不良が原因になっている可能性があります。総務省 九州総合通信局の確認項目にも「B-CASカードは適切に挿入されていますか?」という項目があります(総務省 九州総合通信局)。
シャープも、地上デジタル放送の受信ができないエラーが出たときの確認として、B-CASカードの挿入・接触を挙げています。カードが奥まで入っていない、裏表が逆、金色のチップ部分が汚れているといった状態だと、信号を受信していても映像が出ないことがあります。
試す手順は、電源を切って電源プラグを抜く→カードを引き抜く→チップ部分に指紋やほこりがないか見る→乾いた柔らかい布で軽く拭く→正しい向きで奥まで挿し直す→電源を入れる、です。
判断のコツとして、最近の機種はカードを使わずチップを内蔵しているものもあります。カード挿入口が見当たらない場合は、取扱説明書で受信方式を確認してください。カードを挿し直しても「カードが挿入されていません」などの表示が続く場合は、カード側か本体のカード読み取り部の不具合が考えられます。
電源プラグを抜いて待つ再起動は、メーカーの指示どおりの時間で
配線もカードも問題がなさそうなら、テレビ本体を再起動します。テレビが一時的に動作を止めているだけで、受信できなくなっていることもあるためです。
ソニーの公式サポートは、映らない原因の一つとして、テレビが一時的に動作を停止している可能性を挙げ、リモコンの電源ボタンの長押しによる再起動や、電源コードを抜いて2分待ってから差し直す方法を案内しています。シャープは台風などの後の対処として、電源プラグを抜き、約1分経ってから差し直す方法を案内しています。FUNAIの公式自己診断では、アンテナレベルが推奨値以上でもE202が出るときはコンセントリセットを行うよう案内されています。
試す順番は、まずテレビの電源を切る→電源プラグをコンセントから抜く→メーカーが案内する時間を待つ→差し直して電源を入れる、です。待ち時間はメーカーで違うので、上記の公式案内に合わせてください。
判断のコツとして、録画中や番組表の取得中に抜くのは避け、録画予約の時間帯を外して行うと安心です。再起動で戻った場合でも、同じ症状が繰り返し出るなら、受信まわりと本体の両方を引き続き観察してください。
| 状況 | まず試すこと | 直らないときの目安 |
|---|---|---|
| アンテナレベルがゼロ | ケーブルの抜け・芯線の折れ・地デジとBSの差し違いを確認 | 家中で映らないならブースター・屋外設備を疑う |
| レベルはあるが目安未満 | 室内・ベランダ設置なら向きを調整、ケーブル交換 | 屋根上なら自分で触らず販売店等へ相談 |
| 目安以上なのに映らない | B-CASカードの挿し直し・再起動・チャンネル設定のやり直し | 全部試して改善しなければメーカー公式サポートへ |
| BSだけ映らない | BSケーブルを直接テレビへ、レコーダー・分波器を外して試す | 直結でも映らなければBSアンテナ側を疑う |
44・60・20…アンテナレベルの目安はメーカーでなぜ違う?

アンテナレベルを確認しても、「この数字は良いのか悪いのか」が分からない、という声は少なくありません。理由は単純で、メーカーごとに目盛りの付け方が違うからです。ここでは各社の公式サポートに記載のある目安を並べます。
| 項目 | ソニー | パナソニック | シャープ | FUNAI |
|---|---|---|---|---|
| 地デジの目安 | 今回確認した公式ページに数値の記載なし(E201・E202で判断) | 44以上 | 60以上 | 多くの機種は20以上、一部機種は24以上 |
| BS・110度CS | 黄=不安定、赤=正常に受信できていない | 50以上(4K放送は54以上) | 公式に記載なし(確認範囲) | 公式に記載なし(確認範囲) |
| 公式の再起動方法 | 電源コードを抜き2分待つ | 公式に記載なし(確認範囲) | 電源プラグを抜き約1分待つ | コンセントリセット |
| 低いときの案内 | ケーブル直結・交換、スキャン、本体リセット | レベルが最大になるよう向きを調整 | アンテナ位置を調整、改善しなければ販売店に相談 | 向き調整、老朽化アンテナの取り換え、ブースター設置 |
パナソニックは地デジ44・BS50・4K放送54が目安
パナソニック(ビエラ)の場合、放送の種類ごとに目安が分かれているのが特徴です。地デジだけ確認して安心せず、映らない放送の種類に合わせて見る必要があります。
パナソニックの公式FAQには「地上デジタル放送におけるアンテナレベル(または、信号品質)の受信の目安は『44以上』です。」と記載されています(パナソニック公式FAQ)。同じページで、BS・110度CSデジタル放送の目安は50以上、4Kチューナー内蔵ビエラでの4K放送の目安は54以上とされています。
試す順番は、映らないチャンネルを選んだ状態でアンテナレベルを表示し、目安と比べることです。目安を下回る場合について、パナソニックは「アンテナレベルが低いときは、アンテナレベルが最大になるようにアンテナの向きを調整してください。」と案内しています(パナソニック公式FAQ)。
判断のコツとして、BSは映るのに4K放送だけ映らない場合、4K放送の目安がBSより高く設定されていることを思い出してください。数値が50台前半であれば、BSは見られても4K放送では足りない、という状況が起こり得ます。
シャープは受信強度60以上を目安にアンテナ位置を調整
シャープ(AQUOS)では、受信強度60以上がひとつの目安です。パナソニックの44と比べると高く見えますが、これは目盛りの違いであり、シャープのテレビが電波に弱いという意味ではありません。
シャープは台風などの後の案内の中で、受信強度が60以上になるようアンテナの位置を調整する対処を挙げています(シャープ AQUOS 公式)。また、シャープの公式FAQでは「地上デジタル放送受信にはUHFアンテナが必要」と案内されています(シャープ公式FAQ)。古い家でUHFアンテナ以外しか付いていない場合などは、そもそも地デジの受信に適した設備かを確認する必要があります。
試す順番は、メニューの「デジタル放送」から「アンテナ信号設定」などの項目を開き、受信強度を確認することです。60を下回る場合、室内アンテナや卓上アンテナであれば置き場所や向きを少しずつ変えて、数値が上がる位置を探します。
判断のコツとして、60以上あるのに改善しない場合について、シャープは同じページで「アンテナやブースターの調整、減衰器の取り付けが必要」として販売店への相談を案内しています(シャープ AQUOS 公式)。数値が高いのに映らないときは、電波が強すぎる可能性もあるということです。
FUNAIは20または24が推奨値と、目盛りが他社と別物
FUNAIのテレビでは、推奨値がぐっと小さい数字になります。他社の目安を覚えている人ほど「20しかない、弱すぎる」と誤解しやすいので注意が必要です。
FUNAIの公式自己診断では、多くの機種でアンテナレベル20以上、一部の機種では24以上が推奨値とされています(FUNAI 公式)。推奨値以上なのにE202が出る場合は、コンセントリセットを行うよう案内されています。
試す順番は、まず取扱説明書や公式ページで自分の機種がどちらの推奨値に当たるかを確認し、そのうえでアンテナレベルを比べることです。推奨値を下回る場合、FUNAIはアンテナの向きの調整、アンテナの老朽化に伴う取り換え、受信電波を強くするブースターの設置を受信環境の改善策として挙げています。
実は、アンテナレベルの数字をメーカーをまたいで比べても意味はありません。同じ家の同じアンテナにつないでも、パナソニックとシャープとFUNAIでは表示される数値の基準が違うからです。買い替えで別メーカーのテレビにしたとたん「数値が下がった、アンテナが弱った」と心配になるケースは、この目盛りの違いで説明できることがあります。比べるべきは、そのテレビ自身のメーカーが示す目安です。
ソニーは数値よりE201・E202と色で状態を読む
ソニー(ブラビア)の公式サポートでは、今回確認した範囲では地デジの目安となる具体的な数値は示されておらず、エラーコードと表示の色で状態を判断する案内になっています。
前述のとおり、E201はアンテナレベルが低く受信状態がよくない状態、E202はアンテナレベルがゼロで信号がない状態です。BSでE201やE202が出た場合について、ソニーはアンテナレベルの表示が黄色なら不安定、赤なら正常に受信できていない状態と案内しています。
試す順番として、ソニーはBSが映らないとき、アンテナケーブルをテレビに直接つなぎ直す、抜き差しする、劣化したケーブルを交換する、チャンネルスキャンを行う、本体をリセットする、といった対処を挙げています。
判断のコツとして、表示が赤からまったく変わらない場合は、信号の通り道のどこかで途切れている可能性が高いので、配線の確認を優先してください。黄色の場合は信号自体は届いているため、向きや中継機器の影響を疑うのが順当です。
チャンネル設定のやり直しで戻るのはどんなとき?
配線もカードも問題なく、アンテナレベルも目安以上なのに映らない。そんなときに試す価値があるのが、地域設定とチャンネル設定のやり直しです。
地域設定と初期スキャンをやり直す
引っ越し後や、テレビを初期化したあとに映らない場合は、地域設定やチャンネル設定が今の住まいと合っていない可能性があります。
シャープは台風などの後の対処の一つとして、地上デジタル放送の地域設定・チャンネル設定を行うよう案内しています。シャープの公式FAQでも、受信できないエラーが出たときの確認として、設定メニューの「デジタル放送」から「アンテナ信号設定」を確認する手順が挙げられています。ソニーもBSが映らないときの対処にチャンネルスキャンを含めています。
試す順番は、まず設定メニューで地域(都道府県や郵便番号など、機種によって入力項目は異なります)が今の住所になっているかを確認し、そのあとでチャンネルの初期スキャンを実行することです。スキャン中は数分かかることがあるので、途中で電源を切らないようにします。
判断のコツとして、スキャン後に映るチャンネルが増えた、または一部だけ映らなくなったといった変化があれば、設定が原因だった、あるいは電波の届き方に偏りがあると読めます。スキャンしても1局も見つからない場合は、設定ではなく信号の通り道の問題に戻って確認してください。
アッテネーター(減衰)の入・切を切り替えてスキャンし直す
電波が強すぎても映らないことがある、というのは見落とされやすいポイントです。電波塔の近くや、ブースターで増幅しすぎている家で起こり得ます。
FUNAIの公式自己診断では、アッテネーターの入・切を変更してから初期スキャンをやり直す手順が案内されています。アッテネーターとは、受信した信号をあえて弱める機能のことです。シャープも、受信強度が60以上でも改善しない場合に減衰器の取り付けが必要になることがあると案内しています。
試す順番は、テレビの設定メニューにアッテネーター(減衰器、ATTなどの表記もあります)の項目があるかを探し、現在の設定と逆に切り替えてから初期スキャンを行うことです。改善しなければ元に戻します。
判断のコツとして、テレビ側にこの設定がない機種もあります。設定がなく、アンテナレベルは高いのに映らない状態が続く場合は、外付けの減衰器が必要かどうかを販売店に相談するのが現実的です。
レコーダー経由をやめて、テレビへ直接つないで試す
アンテナケーブルをレコーダーを経由してテレビにつないでいる家は多いはずです。この経由先が原因になっている可能性もあります。
ソニーの公式サポートでは、BSが映らない原因として、BDレコーダーや分波器などの中継機器の影響が挙げられています。中継機器の電源が切れていたり、出力側の端子がゆるんでいたりすると、テレビまで信号が届かないことがあります。
試す順番は、電源プラグを抜いたうえで、壁のアンテナ端子から来ているケーブルを、レコーダーを通さずにテレビのアンテナ端子へ直接つなぎ、アンテナレベルを確認することです。分波器を使っている場合は、地デジとBSのどちらの出力をテレビのどちらの端子につないでいるかも見直します。
判断のコツとして、直結にした途端に映るなら、原因はレコーダーや分波器、その間のケーブルにあると絞れます。直結でも映らないなら、テレビより手前、つまり壁の端子から先の設備を疑う段階です。
台風・強風・地震のあとに映らないなら、屋外の設備を疑う
前日に台風が通過した、強い風が吹いた、地震があった。そうしたタイミングで急に映らなくなったなら、屋外のアンテナ設備に原因がある可能性が高まります。ただし、ここからは自分で触れる範囲が限られる領域です。
アンテナの向き・瓦のズレ・固定ワイヤーの外れ
台風や地震の後に家中のテレビが一斉に映らなくなった場合、アンテナの向きがずれた可能性を最初に考えます。
シャープは台風・地震後に映らない原因として、アンテナの向きや屋根の瓦のズレ、アンテナを固定するワイヤーが外れる等によるアンテナなどの受信設備が雨風や震動の影響を受けた可能性を挙げています(シャープ AQUOS 公式)。総務省 九州総合通信局の確認項目にも「アンテナの向き、アンテナの位置の確認」があります(総務省 九州総合通信局)。
試す順番は、まず家の中の確認(ケーブル・再起動・設定)を一通り終えることです。そのうえで、地上から見上げてアンテナが傾いていないか、隣家のアンテナと向きが違っていないか、ワイヤーが垂れ下がっていないかを目で確認します。双眼鏡やスマートフォンのズーム機能を使えば、屋根に上がらなくても様子が分かります。
判断のコツとして、目に見えて傾いている、ワイヤーが外れている場合は、そのまま放置すると落下の危険もあるため、早めに販売店や設置した業者へ相談してください。
屋根の上のアンテナを自分で直そうとしないでください。台風や地震の後は瓦がずれて足場が不安定になっていることがあり、転落の危険があります。屋外のアンテナ調整・交換は、販売店や専門の業者に相談するのが安全です。
自分で動かしてよいアンテナと、触らないほうがよいアンテナ
パナソニックやシャープの公式案内には「アンテナの向きを調整する」という対処があります。ただし、それはどんな場所のアンテナでも自分で動かしてよいという意味ではありません。
自分で調整しやすいのは、室内アンテナ、卓上アンテナ、窓際に置くタイプなど、部屋の中で手が届くものです。これらは置き場所や向きを少しずつ変えながら、テレビのアンテナレベル表示を見て数値が上がる位置を探せます。一方で、屋根の上やベランダの外側に設置されたアンテナは、高所作業になるため自分で触るのは避けるべきです。
ここで2つ目の失敗パターンを紹介します。ベランダの手すりに付けたアンテナの数値が少し下がったため、何度も向きを回して試すうちに、もとの向きが分からなくなり、かえって映らなくなるケースです。原因は、基準となる向きを記録しないまま大きく動かしたことです。対策として、動かす前にスマートフォンで今の向きを撮影し、一度に少しずつ動かして、そのつどテレビの数値を確認してください。そして手すりから身を乗り出す必要がある位置なら、自分では触らない判断をします。
判断のコツとして、パナソニックが案内するように「アンテナレベルが最大になる向き」を探すのが原則ですが、それが安全にできる場所かどうかを先に考えてください。
アンテナの劣化が疑われるときの判断材料
台風などのきっかけがないのに、少しずつ映りが悪くなってきた場合は、アンテナや屋外ケーブルの劣化も候補に入ります。
FUNAIの公式自己診断では、受信環境の改善策として「アンテナの老朽化に伴う取り換え」が挙げられています(FUNAI 公式)。総務省 東海総合通信局も、受信障害の主な原因としてアンテナの劣化・接続不良やケーブルの接続不良を挙げています。
家の中でできる確認の順番は、アンテナレベルの数値を日を変えて何度か記録しておくことです。数値がじわじわ下がっている、雨の日や風の日だけ映りが悪くなる、といった傾向が見えれば、相談する際の判断材料になります。
判断のコツとして、劣化かどうかの最終判断は屋外設備の点検が必要になるため、自分で結論を出す必要はありません。家の中の確認をすべて済ませたこと、数値の記録、映らない放送の種類をまとめておくと、相談先での話がスムーズに進みます。
ブースター・分配器・分波器が原因になっていないか
アンテナとテレビの間には、ブースターや分配器、分波器といった機器が入っていることがあります。家中のテレビがまとめて映らない場合、アンテナ本体よりも先にこれらを疑う価値があります。
ブースター=受信した電波を強くする機器。電源が必要です。
分配器=1本のアンテナ線を複数の部屋に分ける部品。
分波器=1本の線に混ざった地デジとBS・CSの信号を2本に分ける部品。
減衰器(アッテネーター)=強すぎる信号をあえて弱める部品・機能。
ブースターの電源が切れていないかを確認する
家中のテレビが同時に映らなくなったとき、意外に多いのがブースターの電源の問題です。ブースターは電源がないと働かないため、電源が切れると信号がテレビまで届かなくなります。
総務省 関東総合通信局の受信障害の見分け方のページでも、設置されているブースターを確認するよう案内され、ブースターの電源接続の確認が挙げられています(総務省 関東総合通信局)。東海総合通信局も、受信障害の主な原因の一つにブースターの出力不調を挙げています。
確認の順番は、まず家のどこにブースターの電源部があるかを探すことです。テレビの裏や押し入れ、天井近くの壁際などに小さな箱が付いていることがあります。その電源プラグがコンセントから抜けていないか、ランプが点灯しているかを見ます。掃除のときにうっかり抜いてしまう、コンセントタップのスイッチを切ってしまう、といった原因が考えられます。
判断のコツとして、電源プラグを差し直しても電源部のランプがつかない、または一度ついてもすぐ映らなくなる場合は、ブースター本体の不調も疑われます。この段階で販売店やメーカーに相談してください。

ブースターを付けた直後に映りが悪くなったら
映りを良くするためにブースターを付けたのに、かえって映らなくなった。そんな逆転現象が起きることもあります。
総務省 関東総合通信局は、ブースターの設置初期に、受信したテレビ信号の一部が戻ってさらに強い反射波を発生させる現象が起こり得ることを説明しています(総務省 関東総合通信局)。また、増幅しすぎて信号が強すぎる状態になると、前述のアッテネーターや減衰器が必要になる場合があります。
試す順番は、ブースターを付ける前と後でアンテナレベルの数値がどう変わったかを確認することです。数値が上がっているのに映らない、または不安定になった場合は、設置した販売店や業者に、増幅の調整が必要かどうかを相談します。
判断のコツとして、ブースターの調整は機器の内部設定に関わることがあるため、自分で設定を大きく変えるのは避けてください。シャープも、アンテナやブースターの調整が必要な場合は販売店に相談するよう案内しています。
分配器・分波器の差し間違いと緩み
テレビとアンテナの間に分配器や分波器が入っている場合、その部品の端子の緩みや差し間違いも原因になります。
ソニーの公式サポートは、BSが映らない原因として分波器などの中継機器の影響を挙げています。分波器は入力側と出力側(地デジ用・BS用)の端子が決まっており、ここを逆につなぐと、どちらかの放送が映らなくなります。分配器も、使っていない出力端子があると信号が漏れて弱くなることがあります。
確認の順番は、電源プラグを抜いたうえで、分配器・分波器の各端子のケーブルがしっかり締まっているか、表記どおりにつながっているかを見ることです。そのあと、分波器を通さずに壁の端子とテレビを直結できるなら、一度その状態で試して比べます。
判断のコツとして、分配器や分波器は小さな部品ですが、引っ越しや模様替えで付け外しされることが多く、トラブルの見落としポイントになりやすい部分です。家の中の確認の一環として、テレビ背面と壁の端子の間にある部品はすべて目で確認してください。
自宅ではなく電波環境の問題?700MHz障害と相談先の見分け方
家の中の確認をすべて終えても映らない場合、原因が自宅の設備ではなく、周囲の電波環境にあることも考えられます。ここでは、自分で直せない領域かどうかを見分ける目安と相談先をまとめます。
近所も同じように映らないなら受信障害を疑う
自分の家だけでなく、近所の家も同じ時期に映りが悪くなっているなら、地域的な受信障害の可能性があります。
総務省 東海総合通信局は、地デジの受信障害の典型的な症状として、画面全体が黒くなるブロックアウト、ブロックノイズ、フリーズを挙げています(総務省 東海総合通信局)。また主な原因として、建物や周辺環境によるアンテナへの障害も挙げられています。近くに高い建物が建った、工事が始まったといった変化があれば、それが影響していることもあります。
確認の順番は、近所の人に映りの状況を聞く、特定の時間帯だけ映らないかを記録する、特定のチャンネルだけか全チャンネルかを確認する、の3点です。総務省の自宅チェック項目にも、近所の映りや時間帯が含まれています。
判断のコツとして、周辺環境が原因と考えられる場合は、自宅の機器をいくら調整しても改善しないことがあります。総務省の各地方総合通信局が受信障害の相談窓口を設けているので、お住まいの地域を管轄する総合通信局のページで問い合わせ先を確認してください(例:総務省 近畿総合通信局)。
700MHz帯の携帯電話基地局による障害は対策工事が無料
意外と知られていないけれど、携帯電話の基地局の電波が、地デジの受信に影響することがあります。これが700MHz帯の携帯電話基地局による受信障害です。
700MHz利用推進協会の案内によると、症状は映像の一部または全部が乱れて、四角いブロック状のモザイク現象が出る、または黒い画面や「受信できません」等のエラーで映らなくなる、というものです。対策としては、フィルタの挿入や新型ブースター機器への交換が行われます。そして協会は「対策工事を無料で実施します」と案内しています(700MHz利用推進協会)。費用は協会が負担し、視聴者に費用が請求されることはないとされています。
確認の順番は、近くに携帯電話の基地局が新しく設置された時期と、映らなくなった時期が重なっていないかを考えることです。ブースターを使っている家では、とくに影響を受けやすい場合があります。
判断のコツとして、自分で工事業者を探して有料で対処する前に、まず700MHz利用推進協会の公式サイトで相談窓口を確認してください。対策工事を無料で受けられる可能性があるため、順番を間違えないことが大切です。

住まい別:戸建て・マンション・賃貸で相談先が違う
家の中の確認をすべて終えて、原因が屋外設備や共用部分にありそうだと分かったら、住まいの形によって相談先が変わります。
戸建てに住んでいる人は、アンテナもブースターも自分の家の設備なので、テレビを買った販売店や、アンテナを設置した業者に相談するのが一般的です。シャープも、アンテナやブースターの調整が必要な場合は販売店への相談を案内しています。地域全体で映りが悪いようなら、前述の総合通信局や700MHz利用推進協会の窓口を確認します。
マンションなどの集合住宅に住んでいる人は、アンテナや共用のブースターが建物全体の設備になっていることが多いため、自分の部屋の中(テレビ・ケーブル・壁の端子)を確認したうえで、管理会社や管理組合に連絡するのが順番です。ほかの部屋でも映らないかを管理会社に確認してもらうと、自室の問題か共用部の問題かが分かります。
賃貸住宅に住んでいる人は、建物の設備に手を加える前に、まず管理会社や大家さんへ連絡してください。自己判断で業者を呼ぶと、費用負担の話がこじれることがあります。
全部試しても映らないなら、本体の故障も視野に入れる
ケーブル、B-CASカード、再起動、チャンネル設定、直結での確認まで一通り試しても改善しない場合は、テレビ本体の故障も視野に入れる段階です。
ソニーの公式サポートでは、ひととおりの対処を試しても改善しない場合について「本体の故障が考えられます」と案内しています(ソニー公式サポート)。
本体か受信環境かを分ける最後の手順は、同じアンテナ端子に別のテレビやレコーダーをつないで映るかを試すことです。別の機器なら映る場合はテレビ本体側、別の機器でも映らない場合は受信環境側の問題と考えられます。
判断のコツとして、本体の故障が疑われる場合は、型名とエラー表示、試した対処をメモしてからメーカー公式サポートに連絡すると話が早く進みます。修理費用は機種や症状で異なるため、金額はメーカー公式でご確認ください。
まとめ:テレビが映らない原因の多くは、アンテナの手前で見つかる
最初の一歩は、テレビのメニューでアンテナレベルを表示し、その数値と画面のエラー表示をメモすることです。数値がゼロならケーブルの抜け・芯線・差し違いを、目安以上ならB-CASカードと再起動、チャンネル設定を順に試してください。それでも映らないときは、記録したメモを持って販売店やメーカー、管理会社に相談すれば、屋根に登らずに原因へたどり着けます。
※最新情報はメーカー公式サポートでご確認ください。

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