近所に携帯電話の基地局ができると聞いた。ポストに「テレビ受信障害」と書かれたチラシが入っていた。最近になって地デジの映像にモザイクのような乱れが出る。こうしたときに気になるのが、「自分の家は700MHzの受信障害の対象地域なのか」という点ではないでしょうか。
結論から言うと、700MHz帯のテレビ受信障害は、市町村や町名の単位で「この地域が対象」と線引きされるものではありません。影響を受けやすいのは、700MHz帯の携帯電話基地局の周辺にあり、受信ブースターを使って地デジを見ている家や建物です。そのため公式の案内も町名の一覧ではなく、基地局ごとのチラシ配布、自治体のお知らせ、専用コールセンターでの確認という形をとっています。
この記事では、受信障害が起きる仕組み、自治体ごとの周知方法の違い、自分の家が対象かを確かめる手がかり、700MHz以外の原因との切り分け方、無料の対策工事の流れ、不審な訪問者の見分け方を、総務省・自治体・700MHz利用推進協会の公式情報をもとに順番に整理します。
・700MHzの受信障害が「地域」ではなく「基地局の周辺×ブースター」で起きる理由
・自分の家が対象かを確かめる4つの手がかり(チラシ・自治体ページ・試験電波の日程・コールセンター)
・ケーブルテレビや1台だけの不調など、700MHz以外が原因のケースの切り分け方
・無料の対策工事の流れと、作業員を名乗る訪問者の見分け方
700MHzのテレビ受信障害とは?スマホの電波と地デジがぶつかる仕組み

なぜ携帯電話の電波がテレビに入り込むのか
最初の見立てとして押さえておきたいのは、この受信障害はテレビの故障ではなく、電波どうしの「干渉」が原因だという点です。総務省の東海総合通信局は、背景を「スマートフォンの普及に伴い、新たに割り当てられた700MHz帯の周波数をめぐる、地上デジタルテレビジョン放送システムとの干渉」と説明しています(総務省 東海総合通信局)。
もともと700MHz帯の周辺はテレビ放送に近い周波数で、地デジへの完全移行などを踏まえた周波数の再編によって携帯電話に割り当てられました。携帯電話の電波と地デジの電波は周波数が近いため、受信設備の側で両者をうまく分けられないと、テレビに届くはずの地デジの信号が乱れます。
自分でできることは、まず「家の近くに新しい携帯電話の基地局ができたか」「最近チラシが届いていないか」を思い出すことです。ここで心当たりがあれば700MHzが関係している可能性が上がります。一方、基地局の話も聞かず、チラシも届いていないなら、別の原因から疑うほうが近道です。いきなりテレビの買い替えや修理を考える必要はありません。
旧型ブースターが「地デジ以外の電波」まで増幅してしまう
干渉が起きる場所として多いのは、テレビ本体ではなく、アンテナとテレビの間に入っている受信ブースター(電波を増幅する機器)です。700MHz利用推進協会は、その仕組みを「旧型ブースターをご使用の場合に、図のように地デジ以外の電波帯も増幅してしまう」と説明しています(700MHz利用推進協会)。
ブースターは本来、弱い地デジの電波を強くしてテレビに届ける機器です。ところが、700MHz帯が携帯電話に使われる前に作られた旧型のブースターは、地デジの帯域と隣り合う携帯電話の電波まで一緒に強めてしまうことがあります。増幅しすぎた信号は機器の処理能力を超え、結果として地デジの映像が乱れたり映らなくなったりします。
ここでの注意点は、ブースターを自分で外したり、設定をいじったりしないことです。屋根裏や屋外に設置されていることも多く、電源部とアンテナ線の組み合わせを崩すと、かえって全部の部屋が映らなくなる場合があります。対策は後で説明する協会の無料工事で行われるため、「自宅にブースターがあるかどうか」を把握する程度にとどめておくのが安全です。
700MHz帯=地デジに近い周波数で、周波数の再編によって携帯電話に割り当てられた帯域。
受信ブースター=アンテナで受けた地デジの電波を増幅してテレビに送る機器。戸建てでは屋根裏・ベランダ・テレビ近くの壁際などに、集合住宅では共用部に設置されることが多い。
対策用フィルタ=地デジ以外の電波を通しにくくする部品。アンテナ側に取り付けて携帯電話の電波の入り込みを抑える。
影響を受けやすいのはブースターを使っている家や建物
同じ基地局の近くでも、受信障害が出る家と出ない家があります。日南市は対象について「受信したテレビ信号を増幅する装置(受信ブースター)を使用して地上デジタル放送を視聴している場合、受信ブースターの動作不良等により放送を正常に視聴できなくなることがあります」と案内しています(日南市)。
つまり、影響を受けやすい条件は大きく2つの組み合わせです。1つは700MHz帯の基地局の近くにあること、もう1つは受信ブースターを通して地デジを見ていることです。アンテナから直接テレビにつないでいる家や、ブースターを使わない受信形態の家は、同じ地域にあっても影響が出にくいと考えられます。
自分の家の状況を確かめる順番は、アンテナ線をテレビ側からたどり、壁際や分配器の近くに電源付きの小さな箱がないかを見ることから始めます。戸建てで屋根にアンテナがあり、複数の部屋でテレビを見ている家はブースターを使っていることが少なくありません。見当たらない、またはどこにあるかわからない場合は、無理に天井裏へ上らず、後述のコールセンターで相談するのが確実です。

携帯電話事業者5社が協会をつくって対策している理由
この受信障害は、テレビの持ち主に責任があって起きるものではなく、新しく電波を使い始める携帯電話側の事情で起きるものです。そのため対策は携帯電話事業者が担う仕組みになっています。千葉県は『携帯電話事業者は「一般社団法人700MHz利用推進協会」を設立し、テレビ受信設備の対策を進めています』と説明しています(千葉県)。
協会にはNTTドコモ・KDDI・沖縄セルラー・ソフトバンク・楽天モバイルの5社が参加しています。どの会社の基地局が原因になっているかを視聴者が調べる必要はなく、窓口は協会に一本化されています。総務省も電波利用ポータルで「700MHz帯を使用する携帯電話基地局の開設に伴うテレビ受信障害対策について」という案内を出しています。
判断のコツは、「携帯電話会社が対策する問題」と「自分の家の機器の問題」を分けて考えることです。700MHzが原因なら費用は協会側が負担しますが、ブースターの寿命やアンテナの劣化など、もともとの不具合であれば対象外になります。どちらか迷う段階で自費の修理を手配するのは避け、まず協会に確認してから次の手を決めるほうが、無駄な出費を防げます。
700mhz テレビ受信障害の地域は「町名リスト」では公開されていない
公式ページに対象の町名一覧はない
「対象地域の一覧表を探したのに見つからない」という人は多いはずですが、それは探し方が悪いのではありません。今回確認した千葉県・日南市・越谷市などの公式ページには、具体的な町名を並べた一覧は載っていません。越谷市のページも、対象を「テレビの受信に影響が出る可能性のある地域」と表現するにとどめています(越谷市)。
理由は、影響の範囲が行政区画ではなく、基地局ごとの電波の届き方と、各家庭の受信設備の組み合わせで決まるからです。同じ町内でも、基地局との位置関係や建物の高さ、ブースターの有無によって影響が出るかどうかが変わります。町名で区切ると、対象外なのに不安になる家や、対象なのに見落とす家が出てしまいます。
自分で試す順番としては、「対象地域 一覧」で検索を続けるより、後述するチラシ・自治体のお知らせ・コールセンターの3つで確認するほうが早く答えにたどり着けます。ネット上で町名を並べたページを見つけても、公式の発表でなければ参考程度にとどめ、自分の家が対象かどうかの判断材料にはしないのが安全です。
「自分の地域は対象か」と考えるより、「近くに700MHz帯の基地局ができるか」「家でブースターを使っているか」の2点で考えるほうが答えに近づきます。対象になりそうな家には、基地局の電波を出す前にチラシで知らせる運用がとられています。
公式の定義は「基地局周辺の家屋・ビル建物」
では公式はどこまでを対象としているのか。千葉県は対象を「700MHz帯携帯電話基地局周辺の家屋・ビル建物」と書いています(千葉県)。日南市も「お住まいの近くに700MHz帯携帯電話基地局が開設され、テレビ受信への影響が想定される場合」という書き方で、地域名ではなく基地局との関係で説明しています(日南市)。
ここで大事なのは「家屋」だけでなく「ビル建物」も含まれている点です。マンションやビルの共用ブースターが影響を受けると、建物全体の住戸で映りが乱れることがあります。戸建ての家だけの問題と思い込まず、集合住宅に住んでいる人も対象になり得ると知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。
判断のコツとして、基地局は新しい鉄塔だけでなく、ビルの屋上などに設置されることもあり、見た目で「近くに基地局がある」と気づけるとは限りません。見える範囲に鉄塔がないから大丈夫、と決めつけるのは早計です。チラシが届いたかどうかを確かな手がかりとして使い、届いていない場合でも症状が出たら確認する、という二段構えで考えておくと安心です。
自治体ごとに周知の方法とタイミングが違う
町名一覧がない代わりに、自治体は基地局ごとの周知を案内しています。ただし、その方法や時期は自治体の掲載内容によってまちまちです。今回、公式ページで確認できた範囲を横並びにすると次のようになります。
| 自治体 | 対象地域の書き方 | 周知の方法・時期 |
|---|---|---|
| 千葉県 | 具体的な地域指定の記載なし | 基地局開設前にチラシ配布で事前周知 |
| 板橋区 | 区内の一部 | 電波発射日の約4週間前にチラシ配布 |
| 和光市 | 影響の可能性が高い世帯 | 右上に「(1)」表示のあるチラシを配布 |
| 御坊市 | 事前工事が要る地域/影響の可能性がある世帯 | 事前工事が要る地域は電波発射の2〜3か月前、影響の可能性がある世帯は約3週間前にチラシ |
| 越谷市 | 影響が出る可能性のある地域(町名なし) | チラシからLINE・YouTube等のWEB媒体に変更 |
| 日南市 | 対象地域の明記なし(基地局の近くの家) | 市ページで試験電波の時期とコールセンターを案内 |
表から読み取れるのは、「チラシが基本だが、届く時期も形も一律ではない」ということです。板橋区は電波発射日の約4週間前、御坊市は事前工事が要る地域に電波発射の2〜3か月前と、基地局や地域によって前倒しの幅が違います。越谷市のように、周知をチラシからLINE・YouTube等のWEB媒体に切り替えた自治体もあります。
自分で試すこととしては、住んでいる自治体の公式サイトで「700MHz」と検索し、お知らせのページがあるかを確認するのが第一歩です。ページがない場合は、周知がまだ始まっていないか、自治体を通さず協会から直接チラシが配られている可能性があります。ページがないことを「対象外」の証拠と受け取らないようにしましょう。
チラシの「(1)」表示は影響の可能性が高い目印
チラシを受け取ったときに見ておきたいのが、紙面の表示です。和光市の案内では、影響の可能性が高い世帯には、右上に「(1)」と表示されたチラシが配られるとされています。チラシの種類によって、事前に対策工事が必要な家なのか、念のため知らせている家なのかを区別しているわけです。
この表示の運用が全国一律かどうかは、今回確認した公式情報からは断定できません。ただ、少なくとも「チラシにも種類がある」という点は、御坊市が事前工事の要る地域と影響の可能性がある世帯で配布時期を分けていることからも読み取れます。同じ町内で隣の家と違うチラシが届いても、不思議なことではありません。
受け取ったら、まず右上などに番号や区分の表示があるか、記載されている電波発射の予定日、問い合わせ先の3点を確認しておきます。判断のコツは、表示の意味がわからないときに自己判断しないことです。チラシに書かれたコールセンターに電話し、「自宅は事前の対策工事が必要か」をそのまま聞けば、受信設備の状況に応じた案内を受けられます。
自分の家が対象かを確かめる4つの手がかり

ポストに届くチラシは捨てずに保管する
最も確実な手がかりは、協会から届くチラシです。町名一覧がない以上、「あなたの家は影響を受ける可能性がある」と個別に知らせる手段として、チラシが中心的な役割を果たしています。千葉県も、基地局の開設前にチラシを配って事前に周知すると案内しています。
ここで起きやすい失敗パターンがあります。携帯電話会社名の入ったチラシを広告だと思って捨ててしまい、数週間後に映像が乱れたとき、700MHzとの関係に気づかず自費でアンテナの点検を手配してしまうというケースです。原因が700MHzなら本来は協会負担で対策できたのに、別の窓口に頼んだために費用がかかり、しかも根本の干渉は解消されない、という二重の損になりかねません。
対策として、「テレビ受信障害」「700MHz」と書かれたチラシは冷蔵庫や電話の近くに貼るなど、すぐ見られる場所に保管しておきます。家族と住んでいる場合は、届いたことを共有しておくと、留守中に映りが悪くなったときにも気づけます。チラシをなくした場合でも、協会の公式サイトで問い合わせ先は確認できるので、慌てる必要はありません。
住んでいる自治体の公式ページを確認する
2つ目の手がかりは、自治体の公式サイトです。川口市・日南市・越谷市・和光市・御坊市・文京区など、多くの自治体が700MHzの受信障害についてお知らせを出しています。そこには、試験電波の予定時期、問い合わせ先、不審な訪問への注意などがまとめられていることが多く、チラシの内容を補う情報源になります。
志免町は、スマートフォンの普及や地デジへの完全移行などを背景に700MHz帯の再編が行われたことを説明したうえで、「一部の地域において、地上デジタルテレビ放送の映像が乱れる可能性」があると案内しています(志免町)。ここでも対象は「一部の地域」という表現で、町名までは書かれていません。
自分で試す順番は、自治体の公式サイト内で「700MHz」または「テレビ受信障害」と検索し、ページの掲載日を確認することです。古い掲載日のページは、すでに対策が終わった基地局についての案内かもしれません。判断のコツとして、自治体のページは「周知の補助」であり、自治体自身が工事や個別の判定をするわけではない点を覚えておきましょう。具体的な相談は協会のコールセンターが窓口です。
試験電波の予定日を把握しておく
3つ目の手がかりは、試験電波の発射時期です。基地局は本格運用の前に試験的に電波を出し、その期間に受信障害が出ないかを確かめます。症状が出るとすれば、この時期と重なることが多いため、予定日を知っておくと原因の見当をつけやすくなります。
2026年について自治体が掲載している予定は次のとおりです。川口市は2026年8月20日(木)と9月17日(木)に試験電波発射予定と案内しています。越谷市は2026年8月20日(予定)、和光市は次回発射が2026年9月中旬(予定)としています。日南市は「2026年9月17日(木曜日)から1か月程度」と案内しています(日南市)。
注意したいのは、これらの日付は各自治体のページに掲載された時点の予定だということです。予定は変わることがあり、別の基地局については別の日程が組まれます。判断のコツとして、映像の乱れが出たら「いつから始まったか」をメモしておき、自治体ページや協会に掲載された試験電波の時期と照らし合わせます。時期が重なっていれば700MHzを疑う材料になり、まったく重ならなければ別の原因を先に調べる理由になります。
迷ったら協会のコールセンターに問い合わせる
4つ目の手がかりで、最終的な確認先になるのが700MHz利用推進協会のコールセンターです。フリーダイヤルのほか、IP電話などから使える有料の番号も用意されています。番号はチラシと協会の公式サイトに掲載されているので、そちらで確認してください。受付時間は午前9時〜午後10時(年中無休)です。
問い合わせるときは、事前に手元の情報をそろえておくと話が早く進みます。具体的には、映像が乱れ始めた時期、どのチャンネルでどんな症状が出ているか、何台のテレビで起きているか、戸建てか集合住宅か、受信ブースターを使っているかどうかの5点です。ブースターの有無がわからなければ「わからない」と伝えれば十分です。
判断のコツは、「対象かどうか自信がないから電話しにくい」と遠慮しないことです。対象外とわかれば、それはそれで次に調べる方向が決まります。夜間でも受け付けているので、仕事から帰ってテレビをつけたら映らなかった、という場面でも当日のうちに相談できます。症状が出ている最中に電話すると状況を伝えやすい点も押さえておきましょう。
どんな症状が出たら700MHzの影響を疑う?
映像が四角いブロック状のモザイクになる
代表的な症状は、映像の乱れです。協会は症状の例として「映像の一部または全部が乱れて、四角いブロック状のモザイクになってしまう現象」を挙げています(700MHz利用推進協会)。いわゆるブロックノイズと呼ばれる状態で、画面の一部が四角く崩れたり、全体がモザイク状になったりします。
ただし、ブロックノイズは700MHzだけで起きるものではありません。アンテナの向きのずれ、ケーブルの接触不良、悪天候による電波の弱まり、ブースターの劣化など、受信に関わるさまざまな原因で同じ見た目になります。映像の見た目だけで原因を特定するのは難しいというのが基本です。
自分で試す順番として、まずテレビの電源を入れ直し、アンテナ線がテレビ背面にしっかり差し込まれているかを確認します。それで変わらなければ、症状がいつから出ているか、試験電波の時期と重なるかを確認します。判断のコツは、見た目よりも「始まった時期」と「家の中の何台に出ているか」で絞り込むことです。

画面が黒くなり「受信できません」と表示される
干渉が強い場合、映像が乱れるだけでなく、画面が黒くなって「受信できません」などのメッセージが出ることがあります。信号が乱れすぎて、テレビが放送の内容を読み取れなくなっている状態です。全チャンネルで出ることもあれば、一部のチャンネルだけで出ることもあります。
このときテレビには、メーカーごとにエラーコードが表示されることがあります。エラーコードの意味はメーカーや機種によって違うため、ここでは一般化して「受信できない旨の表示」として扱います。表示の詳しい意味は、お使いのテレビの取扱説明書やメーカー公式サポートで確認してください。
自分で試すこととしては、他の部屋のテレビや録画機でも同じ表示が出るかを見るのが有効です。家中のテレビで同時に映らないなら、アンテナからブースター、分配器までの共通部分に原因がある可能性が高く、700MHzの影響もその候補に入ります。1台だけなら、そのテレビや接続ケーブルの問題を先に疑います。判断のコツは、メッセージが出たときの時刻とチャンネルを記録しておくことです。
画面が固まる・映ったり映らなかったりを繰り返す
自治体の案内では、映らない、ブロックノイズが出るに加えて、画面が固まるといった症状も挙げられています。映像が一瞬止まったあとに動き出す、ある時間帯だけ乱れる、といった不安定な症状も、受信状態の悪化で起きるものです。
症状に波があるのは、携帯電話の電波の強さが利用状況などによって変わることや、試験電波が期間を区切って出されることが関係していると考えられます。常に映らないわけではないため、「たまたま調子が悪いだけ」と見過ごしやすい点に注意が必要です。
自分で試す順番は、症状が出た日時をスマホのメモなどに記録しておくことから始めます。数回分の記録がたまると、特定の時間帯に集中しているのか、天気と関係があるのか、試験電波の時期に重なるのかが見えてきます。判断のコツとして、症状が数日続く、あるいは試験電波の時期と重なるなら、様子見を続けずにコールセンターに相談するのが現実的です。記録は相談時にそのまま伝えられます。
ブロックノイズや「受信できません」の表示は、700MHz以外の原因でも起きます。700MHzを疑う材料になるのは、①チラシが届いている、②症状の開始が試験電波の時期と重なる、③家でブースターを使っている、④家中のテレビで同時に起きている、の4点です。当てはまる数が多いほど相談する価値が高まります。
症状が出始めた時期を試験電波と照らし合わせる
症状の見た目より頼りになるのが、時期の一致です。700MHzの受信障害は、近くの基地局が電波を出し始めたことをきっかけに起きるため、「これまで問題なく映っていたのに、ある時期から急に乱れ始めた」という形になりやすいのが特徴です。
反対に、何年も前から少しずつ映りが悪くなってきた、雨や風の強い日にだけ乱れる、といったパターンは、アンテナやケーブルの経年劣化など別の原因を示していることが多いと考えられます。もちろん両方が重なっている可能性もあるため、決めつけは禁物です。
自分で試すこととしては、自治体ページで最寄りの試験電波の予定を確認し、症状が始まった日と照らし合わせます。日付が近ければ、コールセンターに「試験電波の時期から映りが悪い」と伝えると話が通じやすくなります。判断のコツは、時期が一致しない場合でも、チラシが届いている家なら一度は相談してみることです。基地局の運用は試験期間のあとも続くため、本格運用に入ってから症状が出ることもあり得ます。
700MHz以外が原因のケースを先に切り分ける
ケーブルテレビで見ている家は対象外の可能性
文京区の案内では、ケーブルテレビを利用している場合、B-CASカードのエラーが出ている場合、1台だけ不調な場合などは、700MHz以外が原因の可能性があるとして、ケーブル会社や家電店への相談を勧めています(文京区)。
ケーブルテレビは、アンテナで放送電波を受けるのではなく、ケーブル会社の設備を通じて信号が届く仕組みです。700MHzの干渉は主に、屋根などのアンテナで受けた電波を旧型ブースターで増幅する過程で起きるため、ケーブルテレビの家では原因の場所が違うと考えるのが自然です。
自分で試す順番として、まず自宅の受信方法を確かめます。ケーブル会社と契約しているか、毎月の請求にケーブルテレビの料金が含まれていないかを見れば判断できます。ケーブルテレビで見ているなら、最初の相談先はケーブル会社です。判断のコツは、集合住宅で建物全体がケーブルテレビ経由になっている場合もあることで、自分で契約した覚えがなくても管理会社に受信方法を確認すると確実です。
B-CASカードのエラーが出ているとき
画面にB-CASカードに関するエラーが出ている場合も、700MHzの干渉とは別の問題である可能性が高いと文京区は案内しています。B-CASカードは放送を視聴するための認証カードで、カードの接触不良や挿し方の問題で表示が出ることがあります。
干渉による受信障害は、電波の信号そのものが乱れる問題です。一方、カードのエラーは、テレビがカードを正しく読み取れていない問題で、原因の場所がまったく違います。表示の文言をよく読むと、「受信できない」のか「カードが読めない」のかが区別できることが多いです。
自分で試すこととしては、テレビの電源を切ってからカードを抜き、金属の端子部分を確認して挿し直します。挿す向きや手順はテレビによって違うため、取扱説明書のとおりに行ってください。それでもカードのエラーが続くなら、協会ではなくテレビのメーカーや購入した家電店に相談するのが近道です。判断のコツは、エラー表示の内容をそのまま写真に撮っておくことで、相談先で状況を正確に伝えられます。

1台だけ不調なら、そのテレビや配線を先に疑う
家に複数のテレビがあり、1台だけ映りが悪い場合は、700MHzよりも、そのテレビ本体やつないでいるケーブルを先に疑うのが筋です。文京区も、1台のみの不調は700MHz以外の可能性がある例として挙げています。
理由は、700MHzの干渉はアンテナからブースターまでの共通部分で起きるため、影響が出るなら家中のテレビにそろって現れやすいからです。1台だけ乱れるなら、その部屋の壁の端子、アンテナ線、テレビ側の入力端子、テレビ本体のどこかに原因がある可能性が高くなります。
自分で試す順番は、安全なものから進めます。①テレビの電源を入れ直す、②テレビ背面と壁側のアンテナ線を抜き差しする、③可能なら、正常に映る部屋のケーブルと交換して比べる、の順です。ケーブルを替えて直れば原因はケーブル、替えても乱れるならテレビ本体や部屋の端子が疑わしくなります。判断のコツとして、テレビ本体が疑わしい場合はメーカーサポートへ、壁の中の配線が疑わしい場合は無理に開けずに相談先を選びます。
| 状況 | まず試すこと | 相談先の目安 |
|---|---|---|
| チラシが届いた後、家中のテレビで乱れる | 症状の開始時期と試験電波の予定を照合 | 700MHz利用推進協会のコールセンター |
| ケーブルテレビで見ている | 契約状況・受信方法を確認 | ケーブル会社 |
| B-CASカードのエラーが出る | 電源を切ってカードを挿し直す | テレビのメーカー・家電店 |
| 1台だけ映りが悪い | ケーブルの抜き差し・交換で比較 | テレビのメーカー・家電店 |
| マンション・共聴で建物全体が乱れる | 他の住戸でも起きているか確認 | 管理会社・管理組合などの管理者 |
マンションや共同受信は、まず管理者に相談する
マンションやアパート、地域の共同受信設備(共聴)でテレビを見ている場合、アンテナやブースターは建物や組合の共用設備です。住戸ごとに勝手に手を入れられるものではないため、複数の自治体の案内でも、まず管理者に相談する流れが示されています。
集合住宅で700MHzの影響が出る場合、共用部のブースターが干渉を受けて、建物全体の住戸で同時に映りが乱れることが考えられます。自分の部屋だけで起きているのか、ほかの住戸でも起きているのかによって、原因の場所が自室か共用部かを見分けられます。
自分で試す順番は、①自室の別のテレビでも乱れるかを確認、②エレベーターの掲示板や管理会社のお知らせでチラシの掲示がないかを確認、③管理会社や管理組合に連絡、の順です。判断のコツとして、自室の壁の端子から先は自分で触れる範囲ですが、共用部のブースターや配線盤は住民が開けるものではありません。協会への相談も、管理者を通して進めるとやり取りが整理されます。
無料の対策工事は誰が何をしてくれる?
費用は全額、700MHz利用推進協会の負担
700MHzが原因の受信障害であれば、対策工事の費用を視聴者が払う必要はありません。川口市は「対策工事にかかる費用は全て「一般社団法人700MHz利用推進協会」が負担」と案内しています(川口市)。協会自身も「回復作業に費用は一切かかりません」としています(700MHz利用推進協会)。
費用を携帯電話事業者側が負担するのは、受信障害が新しい基地局の電波によって起きるものだからです。視聴者の家の設備が悪いわけではないため、原因を取り除く作業は電波を出す側が担う、という考え方になっています。文京区も「本件の工事に関する費用は700MHz利用推進協会が負担します」と明記しています(文京区)。
注意点は、無料になるのは700MHzが原因の対策に限られることです。訪問調査で700MHzとは別の不具合が見つかった場合、その修理まで無料になるとは限りません。判断のコツとして、調査の結果は作業員にきちんと聞き、「700MHzの影響だったのか」「別の原因があるのか」を確認しておくと、その後の対応を決めやすくなります。
工事の中身はブースター交換か対策用フィルタの取り付け
対策工事の内容は、大きく分けて2種類です。協会の案内によると、テレビブースターの交換、またはテレビアンテナへの対策用フィルタの取り付けが行われます。どちらを行うかは、訪問調査で受信設備と電波の状況を確認したうえで決まります。
ブースターの交換は、地デジ以外の電波まで増幅してしまう旧型のブースターを、干渉を受けにくいものに取り替える対策です。フィルタの取り付けは、アンテナで受けた電波のうち携帯電話の帯域を通しにくくし、地デジの信号だけをテレビ側に送る対策です。いずれも、干渉の入り口を断つという考え方は共通しています。
自分でやっておくとよいことは、工事の日までに作業場所を確認しておくことです。ブースターやアンテナ周辺へ作業員が入れるよう、屋根裏の入り口や物置の前を片付けておくと作業がスムーズになります。判断のコツとして、交換や取り付けの作業を自分で真似しないことが大切です。屋根や高所の作業は転落の危険があり、配線を誤ると全部屋が映らなくなるおそれもあります。
| 実施主体 | 一般社団法人700MHz利用推進協会(携帯電話事業者が設立) |
| 費用 | 全額協会負担。視聴者への請求なし |
| 工事内容 | テレビブースターの交換、テレビアンテナへの対策用フィルタ取付 |
| 訪問調査の時間 | 15〜60分(機器確認・電波測定) |
| 対策作業の時間 | 30〜90分(障害が確認された場合) |
訪問調査から回復確認までの流れ
協会の案内による工事の流れは、①訪問調査(15〜60分)、②機器の確認と電波測定、③障害が確認された場合にフィルタ取り付けまたはブースター交換(30〜90分)、④回復の確認、という順番です。調査で障害が確認されなければ、工事は行われずに終わることもあります。
訪問調査では、アンテナからブースター、分配器、テレビまでの受信設備を確認し、電波の状態を測定します。ここで700MHzの影響かどうかが判断されるため、症状を記録したメモがあれば作業員に見せると参考になります。工事が終わったら、テレビで各チャンネルが正常に映るかを一緒に確認します。
自分で準備しておくこととしては、立ち会いの時間を確保することです。調査と工事を合わせると、短くても数十分、長ければそれ以上かかる見込みです。判断のコツは、回復確認のときに家中のテレビと録画機をすべて試してもらうことです。リビングだけ確認して終わると、別の部屋のテレビで乱れが残っていたことにあとで気づく、ということも起こり得ます。気になる点はその場で伝えましょう。

市役所や区役所では工事を受け付けていない
自治体のページで知ったからといって、市役所に工事を依頼できるわけではありません。川口市や和光市は、自治体では対応できないとして、協会のコールセンターへの問い合わせを案内しています。自治体の役割は、住民への周知と注意喚起が中心です。
役割がこう分かれているのは、対策工事を行う主体と費用を負担する主体が、どちらも携帯電話事業者側の協会だからです。自治体に電話をしても、最終的にはコールセンターの案内を受けることになり、二度手間になりがちです。
自分で試す順番として、困ったら最初からコールセンターに連絡するのが最短ルートです。番号はチラシと協会公式サイトで確認できます。判断のコツは、自治体のページを「予定や注意点を知るための情報源」、コールセンターを「相談と工事の申し込み窓口」と使い分けることです。ただし、不審な訪問者が来た、詐欺かもしれない、といった不安がある場合は、自治体の消費生活の窓口などへの相談も選択肢に入れてよいでしょう。
「無料で工事します」という訪問者を見分けるには?
作業員は「テレビ受信障害対策員証」を持っている
協会の対策が無料だと知られるほど、その名前をかたった訪問に注意が必要になります。見分ける目安として、協会の作業者は「テレビ受信障害対策員証」を携行しています(文京区)。不審に思ったら、提示を求めることができます。
正規の作業員であれば、提示を求められて困ることはありません。逆に、提示をしぶる、話をそらす、急かして家に入ろうとする、といった態度の場合は、その場で家に上げないのが無難です。チラシや事前の連絡がないのに突然訪ねてきた場合も、慎重に対応しましょう。
自分でできる対応の順番は、①インターホン越しに用件と所属を聞く、②対策員証の提示を求める、③少しでも不安があれば、その場で答えずにチラシや協会公式サイトに載っているコールセンターに自分から電話して確認する、です。判断のコツは、相手が名乗った連絡先ではなく、自分で調べた番号にかけることです。相手から渡された番号では、確認の意味がなくなってしまいます。
・協会の作業員は物品を売らず、後から費用を請求することもありません。お金の話が出たら、その場で契約しないでください。
・身分の確認は「テレビ受信障害対策員証」の提示と、自分で調べたコールセンターへの電話で行います。
・ブースターの取り外しや屋根上のアンテナ作業は、転落・配線ミスの危険があるため自分では行わないでください。
物品の販売や後日の請求は行われない
もう1つの見分け方は、お金の話が出るかどうかです。御坊市は、協会の作業について「物品を販売したり、後ほど請求することもありません」と案内しています(御坊市)。対策そのものが無料であるうえ、ついでに何かを売るということもないわけです。
ここで起きやすい失敗パターンが、「700MHzの対策で来た」という訪問者を正規の作業員だと思い込み、そのまま家に上げてアンテナの交換や別の機器の購入を勧められ、断りきれずに契約してしまうケースです。最初に無料をうたい、点検のあとで「アンテナも古いので交換が必要」と有料の工事に話をつなげる手口は、訪問販売で注意したい典型的な流れです。
対策は、費用・契約・購入の話が出た時点で「協会の作業ではない」と判断し、その場では何も決めないことです。書類へのサインもしないでください。判断のコツとして、本当にアンテナの交換が必要かどうかは、日を改めて自分で選んだ相談先に確認すれば足ります。もし契約してしまった場合は、消費生活センターなどへ早めに相談しましょう。
実は「何もしないで待つ」が正解の家もある
意外と知られていないことですが、チラシが届いたからといって、すべての家で何らかの作業が必要になるわけではありません。チラシは「影響が出るかもしれない家」に広めに配られるものであり、受信ブースターを使っていない家や、ケーブルテレビで見ている家では、実際には何も起きないことも多いと考えられます。
この点を知らないと、チラシを見て不安になり、自分でブースターを外してみる、新しいアンテナを買ってくる、といった先回りの行動に出てしまいがちです。しかし、700MHzが原因の対策は協会が無料で行うため、先に自費で機器をそろえる理由はありません。むしろ、自分で設備を変えてしまうと、何が原因なのかを調査で見極めにくくなるおそれがあります。
自分でできることは、チラシの内容を確認し、事前の対策工事の案内があればそれに従い、なければ試験電波の時期に映りの変化を気にかけておくことです。判断のコツは、「症状が出ていない間は、記録と確認だけにとどめる」ことです。症状が出てから協会に相談しても、対策は受けられます。
住まい別・受信方法別の動き方
同じ700MHzの話でも、住まいや受信方法によって取るべき行動は変わります。戸建てで屋根のアンテナとブースターを使っている人は、影響を最も受けやすい立場です。チラシを保管し、試験電波の時期に映りの変化を確認し、症状が出たらコールセンターへ相談する流れが基本になります。
マンションやアパートで共用のアンテナを使っている人は、自分で協会に連絡する前に、管理会社や管理組合に状況を伝えます。共用部の設備は管理者を通して対応が進むためです。ケーブルテレビや光回線のテレビサービスで見ている人は、700MHz以外の原因を先に考え、契約しているサービス会社に相談します。
実家の親がひとり暮らしをしている人は、本人が不審な訪問に対応しなくて済むよう、協会の作業員は対策員証を持っていること、お金の話は出ないことを、あらかじめ伝えておくと安心です。判断のコツは、自分の家がどの受信方法にあてはまるかを最初に確かめることです。それだけで、相談先を迷わずに選べるようになります。

まとめ|対象地域を探すより、チラシと症状の時期で判断する
まずは郵便物の中に「700MHz」「テレビ受信障害」と書かれたチラシがないかを確かめ、見つかったら問い合わせ先と電波発射の予定日を確認しておきましょう。チラシがなくても、住んでいる自治体の公式サイトで「700MHz」と検索すれば、近くの試験電波の予定がわかることがあります。
※試験電波の日程や窓口の受付時間は変わることがあるため、最新情報は700MHz利用推進協会と各自治体の公式ページでご確認ください。

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