使わなくなった液晶テレビを前に、「燃えないごみの日に出していいのか」「どこに連絡すればいいのか」で手が止まっていませんか。テレビは大きさのわりに捨て方が分かりにくく、買い替えの予定があるか、自分で車に積めるかどうかで、いちばん手間の少ない窓口が変わります。
先に結論を言うと、家庭で使っていた液晶テレビは家電リサイクル法の対象で、市区町村の通常のごみ収集には出せません。処分方法は大きく4つで、①新しく買う店に引き取ってもらう、②以前買った店に引き取ってもらう、③郵便局で家電リサイクル券を用意して指定引取場所へ自分で運ぶ、④お住まいの市区町村の案内に沿って申し込む、のいずれかです。どの方法でも、メーカーと画面サイズで決まるリサイクル料金がかかります。
この記事では、対象になるテレビと対象外のテレビの見分け方、リサイクル料金と収集運搬料金の違い、郵便局振込方式の手順、無料回収をうたう業者への注意、手放す前のB-CASカードの扱いまでを、環境省・家電リサイクル券センター・自治体の公式情報をもとに順番に整理します。
・液晶テレビの処分方法4つと、状況に合った選び方
・粗大ごみに出せない理由と、対象外になるテレビ・モニターの見分け方
・「15型以下/16型以上」とメーカーで決まるリサイクル料金の中身
・無料回収業者の注意点と、手放す前のB-CASカード・リユースの確認
液晶テレビの処分方法は4つ|手元の状況で選ぶ順番

処分方法を選ぶときに見るのは「新しいテレビを買うか」「どこで買ったか分かるか」「自分で運べるか」の3点です。この順に当てはめていくと、多くの家庭は迷わずに窓口が決まります。
買い替えるなら「新しく買う店」に任せると手順が少ない
新しいテレビを買う予定があるなら、その店に古いテレビの引き取りを頼むのが、手順がもっとも少ない方法です。配送と引き取りを同じ日に済ませられることが多く、重いテレビを自分で運ぶ必要もありません。
自治体もこの方法を最初に案内しています。さいたま市は液晶テレビの出し方として「買い替えの場合は新しく購入するお店に引き取ってもらう」と案内しています。家電小売店などを通した正規の引き取りでは、リサイクル料金と収集運搬料金を支払い、家電リサイクル券が発行される流れになります。
進め方は、①古いテレビの背面ラベルでメーカー名と型名を控える、②購入時に「古いテレビの引き取りもお願いしたい」と伝える、③リサイクル料金と収集運搬料金の合計を見積もりで確認する、④配送日に古いテレビを渡し、家電リサイクル券の控えを受け取る、の順です。
判断のコツは、本体価格だけでなく引き取りにかかる費用まで含めて店を比べることです。収集運搬料金は店ごとに決まるため、同じテレビを買っても処分費用に差が出ます。受け取った控えは、引き取りが正しく処理されたかを後から確認する手がかりになるので、しばらく保管しておくと安心です。
処分だけなら「以前買った店」に相談できる
買い替えずに処分だけしたい場合でも、そのテレビを以前購入した店に引き取りを依頼できます。「新しいものを買わないと引き取ってもらえない」と思い込んでいる人は少なくありませんが、廃棄のみの依頼も受付の対象です。
この方法が使えるかどうかは、購入店が分かるかにかかっています。家電量販店で買ったテレビなら、会員アプリの購入履歴や保証書、レシートで店名を確認できることがあります。ネット通販で買った場合も、購入履歴から販売店をたどれます。
進め方は、①保証書・購入履歴で購入店を確認する、②店の問い合わせ窓口で「テレビの引き取りのみ」を希望と伝える、③リサイクル料金と収集運搬料金、引き取り日を確認する、④当日までに家電リサイクル券の扱い(店が用意するか)を確かめておく、の順です。
購入店が閉店している、引っ越して遠くなった、そもそもどこで買ったか分からない、という場合は無理にこだわらず、次の「自分で運ぶ」か「市区町村に相談する」に切り替えます。もらいもののテレビや前の住人が置いていったテレビも、購入店が分からないケースとして扱えば迷いません。
車に積めるなら指定引取場所へ自分で持ち込む
自家用車に積めて、運ぶ人手もあるなら、指定引取場所へ自分で持ち込む方法がいちばん費用を抑えられる可能性があります。店に頼むとかかる収集運搬料金が、自分で運ぶ場合はかからないためです。
名古屋市は収集運搬料金について「回収を依頼する小売店で確認する必要があります。ただし、直接搬入する場合はこの料金がかかりません。」と説明しています。支払うのはメーカーごとのリサイクル料金と、郵便局での振込手数料です。
流れは、①メーカー名と型名を控える、②郵便局で家電リサイクル券に記入してリサイクル料金を支払う、③券をテレビに貼る、④指定引取場所へ運び込む、の4段階です。具体的な手順は後半の「自分で運ぶなら郵便局で券を買う」で詳しく説明します。
注意したいのは、運搬だけを別の業者に頼むと運搬料が追加でかかる点です。大型テレビを一人で無理に運ぶと、けがや本体の落下につながります。運ぶ人手や車がない場合は、店に引き取りを頼む方法と総額を比べてから決めると失敗が少なくなります。
購入店が分からないときは市区町村の案内に従う
購入店が分からず、自分で運ぶのも難しいなら、お住まいの市区町村の案内に従うのが確実です。環境省も、処分方法に迷ったときは市区町村に相談するよう案内しています。
市区町村はテレビを通常のごみとしては収集しませんが、受付方法を案内している自治体は多くあります。たとえば広島市では、粗大ごみの受付を通じて収集を申し込む仕組みがあり、収集運搬料金は3,000円で、家電リサイクル券の添付が条件とされています。大田区のように、家電リサイクル専用の受付窓口を設けている自治体もあります。
探し方は、①自治体の公式サイトで「テレビ」「家電リサイクル」と検索する、②案内ページで購入店がない場合の窓口を確認する、③受付先に連絡して料金と引き取り日を聞く、の順です。
自治体ごとに窓口も料金も異なるので、他の市の情報をそのまま当てはめないことが大切です。引っ越し直後は、旧住所の自治体ではなく今住んでいる自治体のページを見るようにしましょう。
| 状況 | まず試すこと | うまくいかないときの目安 |
|---|---|---|
| 新しいテレビを買う | 購入する店に引き取りを依頼 | 収集運搬料金を店ごとに比べる |
| 処分だけ・購入店が分かる | 以前買った店に引き取りを依頼 | 閉店・遠方なら自己搬入か自治体へ |
| 車があり自分で運べる | 郵便局で券を用意し指定引取場所へ | 運ぶ人手がなければ店に依頼 |
| 購入店不明・運べない | 市区町村の家電リサイクル案内を見る | 案内の受付窓口に電話で相談 |
| まだ映る | 譲渡・リユースを先に検討 | 引き取り手がなければ上の方法へ |
粗大ごみに出せないのはなぜ?家電リサイクル法の対象を確認する
液晶テレビを「大きいごみ」として粗大ごみの日に出そうとして断られる、というのはよくある行き違いです。理由は、テレビが家電リサイクル法で決められた品目に入っているからです。
法律が対象にしているのは「テレビジョン受信機」
家庭で使っていた液晶テレビは、家電リサイクル法の対象品目です。そのため、さいたま市や広島市などの自治体は、対象のテレビを通常のごみ収集には出せないと案内しています。
環境省のQ&Aは、法律の対象を「テレビジョン受信機(ブラウン管式、液晶式、プラズマ式)」と説明しています。具体例としては、ブラウン管式やビデオ内蔵型のテレビ、チューナー付きのディスプレイモニター、HDDやDVDを内蔵した液晶・プラズマテレビが挙げられています。録画機能付きのテレビも、テレビとして扱われるということです。
確認の順番は、①本体の背面ラベルや取扱説明書で「液晶テレビ」であることを確かめる、②チューナーを内蔵しているか(アンテナ端子があるか)を見る、③家庭用として使っていたかを確認する、の3つです。この3つがそろえば、家電リサイクル法のルートで処分すると考えてよいでしょう。
また、家電リサイクル法の4品目は、小型家電リサイクル法の対象外とされています。駅や店頭にある小型家電の回収ボックスは、テレビの出し先としては使えません。入る大きさの小型テレビでも投入しないようにしましょう。
有機ELテレビは2025年4月1日から対象に加わった
液晶テレビと並んで普及してきた有機ELテレビも、今は家電リサイクル法の対象です。「液晶か有機ELか分からない」という場合でも、処分の窓口は同じと考えて差し支えありません。
横浜市の案内では、有機ELテレビは2025年4月1日から対象品目に加わったとされています。大田区も、有機ELテレビを家電リサイクル法の対象として扱っています。それ以前の古い情報では有機ELテレビの扱いが違っていたため、検索で見つけた記事の日付には注意が必要です。
確認の順番としては、①型名で液晶か有機ELかを調べる、②どちらであっても家電リサイクル券の手続きで処分する、③料金は型名から家電リサイクル券センターの一覧で確かめる、の流れで進めます。
判断のコツは、古いブログや数年前の自治体資料を根拠にしないことです。対象品目は法改正で変わることがあるため、処分直前にお住まいの自治体の現行ページを一度開いて確認しておくと、行き違いを防げます。
判断基準は形ではなく「チューナー」と「使い道」
テレビかどうかを決めるのは、見た目の形ではありません。環境省のQ&Aは「形状による区別はなく、チューナーの有無と使用目的(家庭用か業務用か)が判断基準となります。」と説明しています。
つまり、薄型でもブラウン管でも、放送を受信するチューナーを持っていて家庭で使っていたなら、テレビとして扱われます。反対に、見た目がテレビそっくりでも、チューナーがなければ対象外になり得ます。この点が次の章で扱う「対象外のテレビ」の見分けにつながります。
確かめる順番は、①背面にアンテナ端子(地デジ・BS用の丸い端子)があるか見る、②取扱説明書や製品ページの仕様欄で「チューナー」の記載を探す、③会社や店舗で使っていたものかどうかを振り返る、です。
事務所や店舗で使っていたテレビは、使用目的が家庭用ではないため、扱いが変わる可能性があります。自宅兼店舗などで判断がつかないときは、購入店か自治体に「どこで使っていたか」を伝えて確認すると、手続きのやり直しを避けられます。
壊れたテレビや画面が割れたテレビも同じ窓口で相談する
画面が割れた、電源が入らないといった故障したテレビも、処分の考え方は同じです。判断基準として挙げられているのはチューナーの有無と使用目的で、動くかどうかは基準に含まれていません。
壊れているから「ただのごみ」になるわけではなく、液晶テレビとして購入店や指定引取場所、自治体の案内窓口で相談するのが基本です。画面が割れている場合は、破片が落ちないよう割れた面をテープや段ボールで覆ってから運ぶと、作業する人のけがを防げます。
進め方は、①割れた面を保護する、②型名ラベルが読めるか確認する(読めなければ購入時の書類を探す)、③引き取りを依頼する店や自治体に「破損している」と先に伝える、の順です。
割れたテレビは、処分の前に修理や保証、保険の対象になるかを一度確認しておくと損をしにくくなります。直すか手放すかで迷っている段階なら、判断材料を整理した記事も参考にしてください。

家電リサイクル券=テレビなどのリサイクル料金を支払ったことを示す券。自分で運ぶ場合は郵便局に備え付けの券を使います。
指定引取場所=郵便局振込方式で、テレビを自分で運び込む引き取り先。
収集運搬料金=店などに引き取りを頼んだときの、運ぶための費用。リサイクル料金とは別に店ごとに決まります。
同じ「画面」でも対象外がある|ポータブル・PCモニター・組み込み型の扱い

家にある画面付きの機器がすべて家電リサイクル法の対象というわけではありません。対象外のものは各自治体の方法(粗大ごみなど)で出すことになり、窓口がまったく変わります。
電池で動く小さな液晶テレビは対象外になる
電池で動く持ち運び用の液晶テレビは、家電リサイクル法の対象外です。車載用の液晶テレビも同じく対象外とされています。
環境省のQ&Aでは、対象外の例として電池駆動の液晶テレビ(車載用を含む)が挙げられています。大田区も、ポータブル液晶テレビは家電リサイクル法の対象ではなく、粗大ごみとして扱うと案内しています。防災用や台所用に買った小型の液晶テレビが、ちょうどこれに当たります。
見分ける順番は、①電池やバッテリーで動くタイプかを確認する、②車のシガーソケット用など車載専用の製品かを見る、③当てはまれば自治体のごみ分別ページで「ポータブルテレビ」の出し方を調べる、です。
注意したいのは、電池を入れたまま出さないことです。取り外せる電池やバッテリーは、自治体の電池の出し方に従って別に処分します。家庭用コンセントでも使える兼用タイプは判断が分かれることがあるため、迷ったら自治体に型名を伝えて確認すると確実です。
実はパソコン用モニターは、チューナー付きでも対象外
意外と知られていないのが、パソコン用モニターの扱いです。環境省のQ&Aでは、パソコン用モニターはチューナー付きのものを含めて家電リサイクル法の対象外とされています。一方で、チューナー付きのディスプレイモニターはテレビとして対象に入ります。
「チューナーがあればテレビ」と覚えていると、パソコン用モニターで判断を誤ります。パソコン用モニターは家電リサイクル法ではなく、パソコンと同じ系統のルートや自治体の案内に沿って処分する機器です。見た目が似ていても、何として売られていたかで出し先が分かれます。
確認の順番は、①製品名や取扱説明書に「パソコン用」「PCモニター」と書かれているかを見る、②テレビとして売られていたなら家電リサイクル法のルート、③パソコン用として売られていたなら自治体のパソコン・モニターの出し方を調べる、です。
判断のコツは、形や端子ではなく、購入時の商品カテゴリーを手がかりにすることです。型名で検索すると、メーカーの製品ページでテレビかパソコン用モニターかが分かることが多く、処分の窓口を間違えずに済みます。
プロジェクターや浴室・キッチンの組み込み型も別扱い
プロジェクター方式のテレビと、建物に組み込む浴室用・キッチン用の液晶テレビも、家電リサイクル法の対象外です。チューナーのないディスプレイモニターも同様に対象外とされています。
組み込み型の浴室テレビやキッチンテレビは、住宅設備として壁や天井に固定されているため、家電として取り外して出すものではありません。取り外しには電気工事や防水処理が関わることが多く、自分で外そうとすると感電や水漏れの原因になります。
対応の順番は、①組み込み型なら自分で外さず、住宅の施工会社や設備業者に相談する、②プロジェクターやチューナーなしのモニターは自治体の粗大ごみなどの出し方を調べる、③判断がつかない機器は自治体に型名を伝えて確認する、です。
チューナーを持たないテレビ型の製品(チューナーレスと呼ばれるもの)は、仕様書に「チューナー非搭載」とあるかを確認したうえで、自治体の分別案内で扱いを確かめると確実です。自己判断で粗大ごみに出すと、収集当日に回収されずに残ってしまうことがあります。
払うお金は2種類|リサイクル料金は「15型」とメーカーで決まる
液晶テレビの処分でかかるお金は、大きく分けて「リサイクル料金」と「収集運搬料金」の2種類です。前者はメーカーと画面サイズで決まり、後者は依頼する店や方法で変わります。
リサイクル料金は15型以下か16型以上かで分かれる
液晶テレビのリサイクル料金は、画面が15型以下の「小」と、16型以上の「大」の2区分で決まります。そのうえで、メーカーごとに金額が設定されています。
家電リサイクル券センターの再商品化等料金一覧では、ソニー・パナソニック・シャープ・ハイセンスジャパン・LG Electronics Japanの5社は、小が1,870円、大が2,970円です。料金一覧には「すべての料金は「税込み表記」となっています。」とあり、これらの金額は税込みです。名古屋市やさいたま市の案内でも、同じ1,870円・2,970円の区分が紹介されています。
確認の順番は、①背面ラベルでメーカー名と型名を見る、②画面サイズが15型以下か16型以上かを確かめる、③家電リサイクル券センターの一覧でメーカー名の行を探す、です。
リビングに置くサイズの液晶テレビは、ほとんどが16型以上の「大」に入ります。「小」に当たるのは、寝室や個室向けのごく小さなテレビです。区分を取り違えると、郵便局で払う金額が合わなくなるので、画面サイズは型名や取扱説明書で確認しておきましょう。
| メーカー | 小(15型以下) | 大(16型以上) | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| ソニー | 1,870円 | 2,970円 | 料金一覧に記載 |
| パナソニック | 1,870円 | 2,970円 | 料金一覧に記載 |
| シャープ | 1,870円 | 2,970円 | 料金一覧に記載 |
| ハイセンスジャパン | 1,870円 | 2,970円 | 料金一覧に記載 |
| LG Electronics Japan | 1,870円 | 2,970円 | 料金一覧に記載 |
| TCL・アイリスオーヤマ | 型名で確認 | 型名で確認 | 上の5社と金額が異なる場合あり |
| 東芝ライフスタイル・船井電機 | 型名で確認 | 型名で確認 | 一覧ページで金額を確認できず |
出典:家電リサイクル券センター 再商品化等料金一覧(税込)。記載のないメーカーの数値は二次情報で補っていません。
上の5社以外は「型名」で料金を調べる
東芝・TCL・アイリスオーヤマ・船井電機などのテレビは、上の5社と同じ金額とは限りません。料金はメーカーごとに異なるため、家電リサイクル券センターでメーカー名と型名から検索して確かめるのが確実です。
家電リサイクル券センターの一覧ページでは、メーカーによっては画面サイズ区分ごとの金額がまとめて確認できず、型名で個別に検索する必要があります。量販店のプライベートブランドや、ほかの会社から事業を引き継いだブランドのテレビは、製造したメーカーと表示ブランドが違うこともあります。
調べる順番は、①背面ラベルの型名を正確に書き写す(ハイフンや英字の大小も含めて)、②家電リサイクル券センターのサイトでメーカー名と型名を入力する、③表示された料金と区分をメモする、です。
判断のコツは、「大手と同じくらいだろう」と見込みで払わないことです。金額が違うと、郵便局で支払いをやり直す手間が発生します。型名ラベルがかすれて読めないときは、取扱説明書や保証書、購入履歴に型名が残っていないか探してみてください。
収集運搬料金は店ごとに違い、自分で運べばかからない
店に引き取りを頼む場合は、リサイクル料金のほかに収集運搬料金がかかります。この金額は法律で一律に決まっているわけではなく、店ごとに異なります。
名古屋市は収集運搬料金について、「回収を依頼する小売店で確認する必要があります。ただし、直接搬入する場合はこの料金がかかりません。」と案内しています。自治体経由で申し込む場合も収集運搬料金がかかることがあり、広島市では3,000円とされています。
比べる順番は、①引き取りを頼めそうな店をいくつか挙げる、②それぞれの収集運搬料金を問い合わせる、③自分で運ぶ場合の手間(車・人手・時間)と比べる、です。
判断のコツは、「リサイクル料金+収集運搬料金」の合計で考えることです。リサイクル料金はどこで出しても同じメーカーなら同額なので、差がつくのは運ぶ部分の費用です。車も人手もあるなら自分で運ぶ、どちらかが欠けるなら店に任せる、と割り切ると決めやすくなります。
郵便局の振込手数料や運搬の外注費も別にかかる
自分で運ぶ郵便局振込方式でも、リサイクル料金だけで済むわけではありません。郵便局での振込手数料が別にかかります。
さいたま市の案内でも、リサイクル料金の小・大の金額に加えて振込手数料がかかると説明されています。また、指定引取場所まで運ぶ部分だけを業者に頼むと、その運搬料も追加でかかります。
見積もる順番は、①リサイクル料金を型名で確認する、②郵便局で振込手数料を確認する、③自分で運べない場合は運搬を頼む費用も加える、④店に頼んだ場合の総額と比べる、です。
運搬だけを外部に頼む場合は、その相手が正規に回収できる立場かどうかも確かめる必要があります。この点は「無料で回収します」の章で詳しく触れます。
自分で運ぶなら郵便局で券を買う|指定引取場所への持ち込み手順

郵便局振込方式は、家電リサイクル券センターが案内する排出方法の一つです。支払い方法には「郵便局振込方式」と「料金販売店回収方式」の2つがあり、自分で運ぶ場合は郵便局振込方式を使います。
手順1:型名とメーカー名を控えてから郵便局へ行く
郵便局に行く前に、テレビのメーカー名と型名を控えておくのが最初の一歩です。家電リサイクル券には、メーカー名や料金区分を書く欄があり、これが分からないと記入が進みません。
型名は、テレビの背面や側面に貼られた銘板ラベルに記載されています。壁掛けで背面が見えない場合は、取扱説明書や保証書、テレビのメニュー画面にある本体情報の項目で確認できることがあります。
準備の順番は、①背面ラベルをスマートフォンで撮影する、②メーカー名・型名・画面サイズをメモする、③家電リサイクル券センターで型名から料金を確認する、④支払う金額と振込手数料分のお金を用意する、です。
ここでよくある失敗が、型名を控えずに郵便局へ行き、窓口で記入できずに出直すことです。原因は、券の記入に必要な情報を把握していなかったことにあります。対策として、ラベルの写真を1枚撮ってから出かければ、窓口で迷わずに済みます。
手順2:郵便局の家電リサイクル券に記入して支払う
家電リサイクル券センターは、郵便局振込方式について「郵便局に備え付けられている家電リサイクル券を利用する方式です」と説明しています。券は郵便局にあり、支払いは窓口またはATMで行います。
券には、メーカー名や品目、料金などを記入します。記入欄が多いと感じたら、窓口で「テレビのリサイクル券を使いたい」と伝えると案内してもらえることがあります。支払いが済むと、控えとなる部分が手元に残ります。
進める順番は、①郵便局で家電リサイクル券を受け取る、②メーカー名・品目・料金区分を記入する、③窓口またはATMでリサイクル料金を支払う、④控えを受け取り、テレビに貼る部分と保管する部分を確認する、です。
ここでもう一つ起こりやすい失敗は、5社の料金をそのまま当てはめて、別のメーカーのテレビ分を振り込んでしまうことです。料金はメーカーごとに異なるため、手順1で調べた金額と一致しているかを、支払う前にもう一度見比べてください。
手順3:券を右側面上部に貼り、指定引取場所へ運ぶ
支払いが済んだら、券をテレビ本体に貼って指定引取場所へ運びます。家電リサイクル券センターは貼る位置について「正面から見て、右側面上部に貼付してください」と案内しています。
券の有効期間は、郵便局振込日の翌日から10年です。支払ってすぐに運べなくても期限切れを心配する必要は少ないものの、券をなくすと手続きが面倒になるため、支払ったらすぐに貼っておくのが安全です。
運び込む順番は、①券を右側面上部に貼る、②指定引取場所の受付日と受付時間を確認する、③画面を保護して車に積む、④受付で券を確認してもらい引き渡す、です。
判断のコツは、運ぶ前に受付時間を確認しておくことです。指定引取場所は受付の曜日や時間が決まっていることが多く、着いてから閉まっていたという事態を避けられます。控えは、引き渡しが済んだあともしばらく保管しておきましょう。
電源プラグとアンテナ線・HDMIケーブルをすべて外してから動かします。大型の液晶テレビは画面の面を持たず、フレーム部分を2人で支えて運びましょう。壁掛け金具の取り外しや、分解は行わないでください。車に積むときは画面を毛布などで保護し、上に物を載せないようにします。
「無料で回収します」のトラックに渡して大丈夫?
住宅街を回るトラックや、ポストに入るチラシで「テレビ無料回収」を見かけることがあります。手間がかからず便利に見えますが、環境省はこうした回収の一部に注意を呼びかけています。
環境省が問題にしているのは「許可のない回収」
環境省が注意を呼びかけているのは、家庭のごみを回収するための許可を持たずに回収している業者です。環境省のQ&Aでは、問題のある業者を「市区町村の一般廃棄物処理業の許可なく、またはその委託を受けずに、違法に回収している」ものと説明しています。
家庭から出る不要なテレビは、家庭の廃棄物として扱われます。これを回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か、市区町村からの委託が必要です。許可や委託がないまま回収しているなら、その時点で正規のルートから外れていることになります。
確かめる順番は、①回収業者に市区町村の許可や委託を受けているかを尋ねる、②チラシや車体に書かれた許可の種類を確認する、③自治体の公式サイトで許可業者の一覧が公開されていないか見る、です。
判断のコツは、「無料」という言葉だけで決めないことです。積み込んだあとで高額な料金を請求される、といった相談につながるおそれもあります。許可について明確な答えが返ってこない業者には、テレビを渡さないほうが安全です。
古物商許可では家庭の廃棄物を回収できない
業者が「許可を持っている」と言っても、許可の種類によっては家庭のテレビを回収できません。環境省のQ&Aは、「産業廃棄物処理業許可」や「古物商許可」では家庭の廃棄物回収はできないと説明しています(環境省 家電リサイクルQ&A)。
古物商許可は中古品を売り買いするための許可で、産業廃棄物処理業許可は事業所から出る廃棄物を扱うための許可です。どちらも、家庭で不要になったテレビを「ごみ」として引き取る許可ではありません。許可番号がチラシに書いてあるだけで安心してしまうのが、ここでよくある行き違いです。
見分ける順番は、①提示された許可が何の許可かを確認する、②「一般廃棄物処理業」の許可か、市区町村の委託かを尋ねる、③分からなければ自治体に業者名を伝えて相談する、です。
まだ使えるテレビを買い取りの形で引き取る場合は、事情が異なることもあります。ただ、動かないテレビや古いテレビを「無料で回収」と持っていく場合は、廃棄物の回収に当たる可能性が高いため、許可の種類を必ず確かめましょう。
不法投棄や環境汚染につながるおそれがある
許可のない回収業者に渡したテレビは、正しくリサイクルされないおそれがあります。環境省は、起こりうる問題として「不法投棄、環境汚染(フロンガスや鉛の放出)、火災リスクなどが挙げられます。」と説明しています。
テレビには、適切に処理しなければ環境に影響を与える部品が含まれています。正規ルートでは、家電リサイクル法に沿ってメーカーが引き取り、再商品化される流れが決まっています。回収後の行き先が分からない業者に渡すと、その流れから外れてしまいます。
避ける順番は、①「無料回収」の呼びかけにその場で応じない、②家電リサイクル券が発行されるかを尋ねる、③発行されないなら正規ルート(購入店・指定引取場所・自治体)に切り替える、です。
判断の目安は、家電リサイクル券の有無です。正規の引き取りでは、リサイクル料金と収集運搬料金を支払い、家電リサイクル券が発行されます。券が出ない引き取りは、正規ルートではない可能性を疑ってください。
正規ルートかどうかは「家電リサイクル券が発行されるか」「市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託があるか」の2点で見分けられます。古物商許可や産業廃棄物処理業許可だけでは、家庭のテレビは回収できません。判断に迷ったら、業者名を控えて市区町村に相談しましょう。
液晶テレビを手放す前に|B-CASカード・録画データ・リユースの確認
処分の窓口が決まったら、テレビを渡す前にもう一度本体を確認します。挿しっぱなしのカードや、ログインしたままのアカウントを残さないことが、手放したあとのトラブルを防ぐ近道です。
B-CASカードは返却するか、自分で破棄する
テレビにB-CASカードが挿さっている場合は、抜いてから処分します。B-CAS社は受信機を廃棄するとき、カスタマーセンターに連絡して返却するか、自分で破棄するよう案内しており、FAQでは「お客様ご自身で破棄してください」と説明しています。
有料放送を契約しているカードの場合は注意が必要です。カードを破棄する前に、放送局に連絡して契約の変更や解約の手続きをする必要があります。また、使用中のカードを誤って破損・廃棄した場合、再発行は有償になります。新しいテレビでまだ使うつもりのカードを間違えて捨てないよう、どのカードがどのテレビのものかを確認しておきましょう。
確認の順番は、①テレビ側面や背面のカードスロットを見る、②有料放送の契約に使っていないか確認する、③契約があれば放送局に連絡する、④カードを返却するか自分で破棄する、です。本体にカードが内蔵されている特別内蔵用カードの場合は受信機メーカーに、ケーブルテレビ専用カードの場合は加入しているケーブルテレビ会社に問い合わせます。
買い替えで新しいテレビにカードを移したいと考えている場合は、使い回しの考え方と手放す前の手順をまとめた記事も参考になります。

ネット動画のログインや録画データは初期化で消しておく
インターネットにつないで動画配信サービスを見ていたテレビは、アカウントにログインしたままになっていることがあります。手放す前に、テレビを工場出荷時の状態に戻しておくと安心です。
最近の液晶テレビは、動画配信アプリのアカウント情報やWi-Fiの設定、番組の視聴履歴などを本体に保存しています。そのまま手放すと、次に手にした人がアカウントを使えてしまう可能性があります。初期化の方法はメーカーや機種によって違うため、手順は取扱説明書のリセット・初期化の項目に従ってください。
進める順番は、①動画配信サービスの各アプリからログアウトする、②取扱説明書で初期化(設定の全リセット)の手順を確認する、③手順に沿って初期化を実行する、④テレビにつないでいた外付けHDDなどの機器を外す、です。
判断のコツは、録画した番組を残したいかどうかを先に決めることです。初期化や本体の処分で録画データが見られなくなることもあるため、残したい番組があるなら、処分を決める前に保存方法を検討しておきましょう。画面が映らない故障機で初期化できない場合は、各サービスの公式サイトからアカウントのパスワードを変更しておくと安心です。
まだ映るならリユースを先に考える
まだ問題なく映る液晶テレビなら、処分する前に誰かに使ってもらう選択肢もあります。さいたま市は、処分の前にリユースサービスの活用を検討するよう案内しています。
リユースに回せば、リサイクル料金や収集運搬料金をかけずに手放せる可能性があります。家族や知人に譲る、地域の譲り合いサービスを使う、中古品として買い取ってもらうといった方法が考えられます。ただし、古い型や故障があるものは引き取り手が見つかりにくいため、時間がかかることも想定しておきましょう。
検討の順番は、①正常に映るか、リモコンや付属品がそろっているかを確認する、②家族や知人に声をかける、③リユースサービスや買取店を調べる、④期限を決めて、引き取り手がなければ家電リサイクルのルートに切り替える、です。
そもそも手放すべきか迷っている段階なら、まだ映るテレビを買い替えるかどうかの判断材料を整理した記事も役立ちます。

引っ越し・実家の片付け・車がない人の選び方
処分の最適解は、生活の場面によって変わります。自分がどの場面に当てはまるかで、選ぶ窓口を絞り込むと迷いが減ります。
引っ越し前に処分したい人は、旧居の自治体ルールが適用される期間を意識します。新居で新しいテレビを買う予定なら、旧居で先に処分するより、新居で購入する店に引き取りを頼む手もあります。実家の片付けで複数台のテレビを処分する人は、それぞれメーカーと型名を控え、1台ずつ料金を確認することが大切です。まとめて一律の料金で考えると、メーカーごとの違いで支払いがずれることがあります。
一人暮らしで車がない人は、自分で運ぶ方法は現実的ではないため、購入店か自治体の案内窓口に頼むのが基本です。どの場面でも、進める順番は①型名とメーカー名を控える、②処分方法を決める、③B-CASカードとログイン情報を片付ける、④引き渡す、の4段階で共通しています。
判断に迷ったときは、手間と費用のどちらを優先するかで決めると割り切りやすくなります。費用を抑えたいなら自分で運ぶ、手間を減らしたいなら店に任せる、どちらも難しいなら自治体に相談する、という目安で考えてください。
まとめ
液晶テレビの処分は、窓口さえ決まれば手続き自体は難しくありません。最初の一歩として、今日のうちにテレビの背面ラベルをスマートフォンで撮影し、メーカー名と型名を控えておきましょう。その情報があれば、店への依頼でも郵便局での券の記入でも、自治体への相談でも、次の手順にすぐ進めます。
※リサイクル料金や受付方法は変わることがあります。最新情報は家電リサイクル券センターとお住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。

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